東日本大震災の記憶をどのように残していくか、各被災地で検討中だと思います。その参考として、仙台市が作った、せんだい3.11メモリアル交流館を見てきました。開業仕立ての市営地下鉄南北線の南の終点、荒井駅直結の展示施設です。

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自らも津波被災に会われた方が、解説ボランティアをしてくださりました。震災当時の写真が壁一面に貼ってあり、当時の様子や思い出等を自らの口で語って頂く。この、ハードとしての展示素材(写真や現物)+被災された現実の人の口伝というソフトが組み合わさって、共感を生むことができます。

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写真や映像も良いですが、やはり現物としてのモノがあると説得が増します。こちらは、津波を受けた小学校の床材です。

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解説は詳しいだけでなく、当時の「声」を文字にしたものが、目を引きました。学術的だけでなく、見学者の目線に立った上手な展示だと思います。

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荒浜地区は、津波被害で壊滅的なダメージを地域です。津波の後は、RC造4階建ての荒浜小学校以外は、ほとんど建物は残りませんでした。その震災前を復元したジオラマが展示されており、同じく展示ボランティアの方が解説をされています。

<荒浜小学校の視察は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/23144079.html
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このジオラマ、どこかで見たことがあると思っていたら、原発立地自治体である富岡町は、多くの部分が帰宅困難地域に指定され、やはり震災前の町並みのジオラマを作っていたのを思い出しました。やはり、知人や親戚の名前や、商店名等の個別の名前が入ったジオラマは格別、想いが入りますね。

<富岡町の巨大ジオラマは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47071442.html
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何もなくなった地域をどう活用していくかのアイデア出しです。突飛なモノもいくつかありましたが、ここまで前向きにアイデアが出るようになるまで、当該地区の住民の方の中には、精神的な葛藤があったことが推察されます。ぜひここを訪れて、その葛藤を感じて欲しいと思いました。

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展示規模は、かなり小さいで、大きなお金がかかっているハコモノではありません。被災された方々、そこに継続して住むことを選択された方々、そしてわれわれのような外部から来た人たち、それぞれの視点は違って、この施設から、いろいろ考えるようになると思うのです。ぜひ、いわきにも震災遺構を残し、犠牲になった方には哀悼を、次世代には自然災害の大きさの教訓を、外部からの訪問者に対しては教育旅行を、それぞれの観点から訪れて欲しいと思います。

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やはり交流施設はアクセスが大事。自動車でしか行けない場所では、車を持たない世代や、足を持たない訪問客を寄せ付けません。その意味で、市営地下鉄直結のこのロケーションは、(相対的に辺鄙な駅かもしれませんが)ベストかもしれません。

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