地底の森ミュージアムは、仙台市郊外にある歴史博物館です。正式名称は仙台市富沢遺跡保存館。だだっぴろい公園内にぽつんと建つ、一見平屋建てのコンクリートの建物。実は、この建物の地下に巨大な遺跡が保存されています。なんと、。来館者スペースの80%が。遺跡の公開・展示のためのスペースが占めているという遺跡博物館です。

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当初は、当地に市立小学校を建設予定で、富沢遺跡の発掘調査を行ったところ、2万年前の森林の跡および旧石器人のキャンプ跡が発見されました。当時の森の状態がほぼ完全な形で保存され、同時に人類が火起こしをした跡等の関係が遺跡となっている世界的にも貴重な発見であったために、小学校の建設地は変更され遺跡の保存・公開を検討されることとなったそうです。
 
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地下がエントランスになっています。なんの変哲もない、コンクリート打ちっ放し。

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これがメイン展示の、樹木跡や焚き木跡、化石などを展示です。2万年前の森林の跡および旧石器人のキャンプ跡が、ほとんど発掘当時のまま、保存・展示されています。たき火あとは小高いところにあり、そのまわりから100数点の石器などが見つかったそうです。遺跡を発掘されたままの状態で公開展示するため、遺跡を大地から切り離さず、床のない特殊な建築土木工法と、最先端の科学技術を応用した保存処理方法を採用しています。これにより、まさにこの地が森であったこと、旧石器人が火起こしをして移動しながら暮らしていたことがわかります。それにしても、倒木が2万年もの間、朽廃せず、その形を残していたことは、奇跡です。酸素がなかったことや、地層で覆われたこと等、複数の奇跡が重なって原形をとどめることができたそうです。

確かに考古学的資料として遺跡の保存をすることに大きな意義があると思います。一方、ここまで大規模に、(小学校建設を変更してまで)、保存・展示することは、大きな財政的決断がなければできない。当時のリーダーの強い思いを感じました。

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当時の石器人の活動を、プロの役者さんが当時の服装を着て演じ、狩猟や火起こしをした10分間の映像がわかりやすかったです。たき火のまわりで新しい石器をつくってヤリをなおし、食事をしました。まさにこの地で、2万年前の活動が再現されたということに意味があると思います。

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館長さまが自ら展示の解説をしてくださいました。地底の森ミュージアムでは、考古学について学ぼうとしている市民を毎年募集し、研究員は、それぞれのテーマにもとづいて自主的な活動を行い、1年間の成果を『市民文化財研究員活動報告書』にまとめます。この間、館では週1回程度の学習日に、活動の方法の相談を受けたり遺跡見学会などを設定して支援するそうです。考古学についての、市民の文化度が高い。

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ここでは、学校教育との連携を積極的に推進するため、仙台市内の小学5・6年生、中学1年生を対象として、施設を利用した授業を実施しているそうです。学習内容は、地下展示室で発掘されたままの遺跡を見学するほか、石器づくりなどをするそうです。
 
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また、約70名のボランティアが登録し、普段の展示解説や、古代米づくり・フェスタ等のイベントで活躍しているそうです。ボランティア証と、黄色のスタッフジャンパーを着て活動していました。左の学生は、地底の森ミュージアム周辺で見られる野鳥をスケッチしストックしておき、本日見られる野鳥として、展示するという作業を黙々とやっていました。こうした自主的な活動を、間接的に支援するのもボランティアの役割だそう。文化度が高い!
 
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ボランティアには、活動期間に応じて、初心者マーク等があるそうです。

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解説ボランティア登録するためにも、一定の育成研修を修了していることが求められます。これにより一定のクオリティが確保されるということ。これは、伊勢神宮の解説ボランティア、福島の花見山公園の解説ボランティアもそうですね。

<お伊勢さん観光案内人は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/31774680.html

<花見山公園は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43771158.html
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