都心のサービス付高齢者住宅(サ高住)のひとつ、グレイプスJ東池袋を見学させていただきました。老人介護の選択肢として、特別養護老人ホームや、介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、グループホーム等がありますが、サ高住の運営に民間不動産会社が積極的なので、注目しています。

特養や介護付有料老人ホームは、介護・食事提供・清掃洗濯・住居・安否確認・生活相談等のサービスが完全にセットになっています。一方、サ高住の特徴は、住居・安否確認・生活相談は行うものの、介護・食事提供・清掃洗濯等が、選択制になっていることが特徴です。ざっくりいって、賃貸ワンルームマンションの一階部分に、介護と食事スペースがあるというイメージでしょうか(私見です)。

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7階建の建物は、ワンルームマンションの外観そのものです。1階部分に、居宅介護支援事業所と訪問介護
事務所が入居しています。

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モデルルーム(標準的な住戸)を見せて頂きました。約18㎡のワンルーム。車椅子でも利用できる設計になっていて、建物に24時間常駐しているスタッフを呼ぶことができる緊急呼び出しボタンも備え付けられています。また2カ所に人感センサーを設置し、夜間を除く数時間、部屋に人の移動がないとコンピュータが判断すると、スタッフに自動通報する仕組みになっていて、孤独死を防いでいます。

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賃料は約10.5万円、管理費2.3万円、基本サービス費3.8万円、合計で16.6万円です。賃料0.5万円は、まさに部屋の賃料相当で、上級ワンルームマンションの賃貸相場です。管理費2.3万円に、水光熱費が含まれています。特徴的なのが基本サービス費3.8万円。これに、毎日の安否確認や、共用スペースを用いてのイベント開催経費等が含まれます。

ここで自立し、自炊等で暮らせるならば、16.6万円で済みます。食事もオプションで1ヶ月間3食で、4.5万円、合計21.1万円です。さらに、介護オプションが付く(付けることができる)のがミソ。要支援から要介護までの、介護保険のポイントを利用することもできるし、完全に自己負担で各種サービスを受けることもできます。

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一口コンロのIHヒーターも備え付けられているので、簡単な自炊をしようと思えばできます。基本的にワンルームマンションなので、24時間出入り自由(別途、認知症の対策あり)。家族が宿泊するのも自由と、一般的な特養・老人ホームとは、かなりイメージが違いますね。

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トイレ・洗面所は住戸内にありますが、お風呂は各フロアにひとつ。お風呂は、時間を予約し、順番に各自、個室で入浴します。入浴の度にスタッフが水抜きをし、洗浄し、お湯張りをしてから次の人が利用するようになっているそう。スタッフの手間だけでなく、お水やガス代がもったいないかもしれませんが、介護入浴を行うためには、必要なやり方なのだと思います。

1階には機械式の入浴施設もあり、そこでは寝たきりの入居者が入浴する施設になります。

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洗濯は、6.7階に共用ランドリーがありますので、各自行って頂くことになります。介護保険のポイントを利用して、スタッフに掃除・洗濯を依頼することもできますし、家族に洗濯をお願いすることも自由。

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食堂・ラウンジは、スターバックス風?3食の時間帯には、食事提供でにぎわうそうです。ここでレクリエーションや各種クラブイベントを企画・開催するそうです。

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3食の献立表が掲示されていました。一日1500円(朝350円、昼600円、夜550円)ですが、ほとんどの入居者が利用されているようです。また事前に連絡しておけば、食事後とのキャンセルもOK。元気な方は、外に飲みに出られる方もいらっしゃるとか。

入居者は60才~90才、介護の重要度も、介護なしから要介護5(ほぼ寝たきり)までと、属性はばらばらですが、あえていえば80才代が多いそうです。

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スタッフによる毎日のお声がけの一方、ほぼ毎日、なんらかのレクリエーションをラウンジでやっているようです。

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1階には、居宅介護支援・訪問介護事業所が入居し、日中で7-8名、夜間でも最低1名のスタッフが常駐しています。こちらでは、デイサービスの提供やケアプランの作成等をやっているようでう。そして日中はコンシュルジェとして、入居者からのリクエスト等に応じています。

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最終的に気になるのは、介護が進んだ場合にいくらくらい費用がかかるのかということ。
食事・家事は自ら行う 16.5万円
+食事 21万円
+週1回生活介護 21.5万円(介護保険ポイント利用前提)
+訪問介護を週3回 22.6万円(介護保険ポイント利用前提)
+身体介護・生活援助 31万円~

上記は目安ですが、参考になりました。民間が運営しているだけあって、経済合理的に、介護保険のポイントを最大限に利用するのが前提となっていました。(特養と違って)必要な介護サービスを、自ら選択して適用する(要らない介護サービスを付けない)というのは、まったく合理的だと感じました。一方、介護保険の限度額いっぱいの利用が前提なので、その前提が今後の福祉政策の小さな変更があったときに、大きな大きな金額的なインパクトが発生します。その変化を受入れられるほどの、金銭的・精神的余裕があるかどうかがポイントかもしれません。

注)上記写真は、許可を受けて撮影したものです。