南相馬市立病院に勤務されている、小鷹昌明医師による、エッセイ講座に参加しました。小鷹医師は、医師として、エッセイストとして、これまでに「原発に一番近い病院」を含む、10冊近い書籍を上梓されています。なんといっても筆が早いし、その文章構成力の秘密は何なのでしょう。

<原発に一番近い病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/34413632.html
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このエッセイ講座は、毎月1回開催されていて、これまでの3年間ですでに43回目を数えているそうです。「継続は力なり」といいますが、この継続力には舌を巻きました。ちなみに小鷹医師は、このエッセイ講座以外にも、「男の料理教室」や「男の木工教室」も主催していて、その守備範囲の広さとともに、地域の方々と一緒にやっていく!という芯の強さを感じました。

エッセイ教室自体は、生徒さんが事前に用意してきたエッセイを、小鷹先生及び参加者全員で読み回して、良かった点、改善すべき点等を、指摘するという、非常に実践的なものでした。すでに複数回参加されている方の文章は、非常にうまくまとまっていて、びっくりしました。
・起承転結を心がける
・誰に向かって書くか、読者にわかりやすく
・何が言いたいのか、結論が大事。
・タイトルは大事だが、内容をそのままにする場合と、あえて抽象的にする場合もあり。
私が理解したのはこんな内容ですが、実際に文章を添削をしながら、説明を受けると納得感がありました。

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 一番新しい書籍が、『ドクター小鷹、どうして南相馬に行ったんですか?』香山リカ、小鷹昌明 著です。被災地支援公務員の精神的ケアのため南相馬市に入った香山氏と、南相馬市立病院に勤務する神経内科医の小鷹さんとの、実際の文通を書籍化したものだそうです。

読者としてもっとも気になるのは、なぜ小鷹医師が19年間勤め上げた母校の医大の准教授職を辞して、南相馬の勤務医になったのか、ということ。それに対して、小鷹氏の回答は、「より必要とされる現場に赴く」というシンプルなものでした。当時は避難区域だった小高区で「男の料理教室」を始めたり、乗馬を習って相馬野馬追に騎馬武者姿で参加したりというエピソードを交えながら、医療や、それ以外の活動を通じて、街の復興に貢献できるということがこのうえなく非日常的でエキサイティングとのこと。有意義に楽しく、また社会を良くしていくことの醍醐味を感じることができるからこそ、小鷹医師が、今、南相馬にいるということなのだと思います。

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