生活保護マンガの第三弾、今回は、「不正受給」と「扶養照会」がテーマです。生活保護世帯の高校生、欣也君が母に内緒でアルバイトをしていることが発覚。アルバイトの収入申告がなされていなかったため、生活保護の「不正受給」となり、欣也君のアルバイト代全額を役所に返還させられることになります。欣也君の心の葛藤に注目です。

今回の表紙は、おっちょこちょいの主人公義経えみるではなく、同期入社の優秀で堅物の、栗橋千奈さん。児童福祉を大学の専門で学んできて、仕事に真剣に取り組む栗橋にとっては、えみるはモノを知らない、考えが甘い人。そんな主人公を「社会人になっても遅刻」「机の上ごちゃごちゃ」「ぬるま湯につかったようなフワフワした脳みそ」に見えて許せない栗橋さんです。

しかし、栗橋さんがどうしてもうまく対応できなかったケース(受給者)がいます。何度聞いても病院を受診しない理由をいわないで保護打ち切り一歩手前の受給者をたまたま、えみるが応対して、その真の理由を世間話で聞きだしてしまいます。おそらく受給者にとっては、恥ずかしい自分の事情を「真面目で」「怖い」栗橋さんにどうしても話せなかったのだろうし、のほほーんとしたえみるは話しやすかったのでしょう。こういう場面は、福祉の現場に限らず、いろいろな職場でよくあることだと思います。ミスばかりしている職員なのに、なぜか顧客・利用者の受けがいい。そんな損な役回りの栗橋さん、感情移入してしまいました。

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