貧困の連鎖を断ち切ろう!という標語をよく耳にします。実際に調べてみると、生活保護世帯の高校進学率が一般家庭よりも低い。

<生活保護世帯の高校進学率は、約90%は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47025483.html

さらに、大学進学率は顕著で、全国平均71.3%、福島県平均67.2%、いわき市平均62.7%に対して、いわき市内の生活保護世帯の大学進学率は、たった20%です。いわき市平均から、40ポイント以上も低いことになります。これでは、「貧困の連鎖」を断ち切ることはできないでしょう。

3
生活保護世帯の大学進学率が低い原因を、精査していく必要があります。生活保護マンガ、「神様の背中」に、セイホに育った子どもが、(学力があっても)大学進学を早々に諦める姿が、生々しく描かれていました。

<神様の背中 さいきまこ著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45613440.html

生活保護世帯に育ち、精神障害からくる母親のDVに耐えながら育った子は、仮に学力があったとしても大学へは進学しない。なぜなら奨学金は限定されるし、進学すると自分の分の生活保護費は支給されなくなるから。大学を卒業しても就職できたとしても、家族は一蓮托生、入社早々から精神障害を持つ母親を養い、医療費や介護費を負担しなければならない。さらに奨学金も返済しなければならない。ならば定時制でも高校までいけばそれでよい。次の世代も貧困の中にいる。そこに希望はない。

「生活保護受給は立派な社会保障制度のひとつです。国民なら誰でも利用する権利があるんです」「権利があるんだから利用する」と、著者は登場人物にいわせています。確かにそうかもしれない。ただ生活保護だけが、ラストリゾートとしてのセーフティネットというのは、持続的な仕組みでないし、(生活保護受給世帯と、保護をうけていない貧困世帯の間で)公平でもない。その希望は、次の世代が、きちんと進学して、足かせなく、自分の道を歩いて行けるように環境を作ってあげることなのではないか。