相馬市では「中心市街地公共建築物デザインコード」を、昨年平成27年末に策定しています。これは相馬市の約400年にわたる歴史・文化を踏まえ、旧相馬中村藩の城下町としての歴史的まちなみ形成を図るべく、策定されたもので、今後、この和風デザインコードを基に、中心市街地の公共建築物が建築されていくそうです。

これまで、スポーツアリーナそうま(平成10年)や、相馬市立中村第一小学校(平成22年)を「和風のデザイン」で建築してきましたが、それを以下の通りに形式知としてまとめました。
 
<基本>外観の基本は木造様式とする。使用する材料はできる限り自然素材。
<屋根>勾配屋根とし、傾斜角度は 4 寸~6 寸勾配。素材:・瓦を基本。色調:瓦の色は、黒系、灰銀色。
<壁面>外壁の仕上げは漆喰仕上げ若しくは漆喰をイメージした仕上げで白系。素材は自然素材若しくはこれに類するもの、自然色仕上げ、古色仕上げ
<開口部>玄関扉は引き戸。和を感じさせる
<意匠>格子等の伝統的なデザイン
 <囲障>室外機等の設備機器については、目隠しを施したり、外壁とのバランスに配慮。照明のデザインについては、城下町の景観に配慮。設備類や止め金具等の色彩についても、光沢のあるものは使用せず、全体の調和に配慮したものを使用する。自動販売機の設置にあたっても同様に機器そのものの色から建築物に調和したものとする。
<歴史的要素>相馬中村城跡等の石積みや御仕法住宅の建築様式については参考とする。
<その他>照明類や案内板、標識などのデザイン、色彩も城下町の景観に配慮したものとする。

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災害公営住宅のひとつ、相馬井戸端長屋も、このデザインコードで建設されました。20年経っても飽きない平屋・和風の秀逸な意匠だと思います。

<相馬井戸端長屋は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46738545.html
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戸建てタイプの災害公営住宅も、和風デザインコードを遵守しています。統一性がとれていて、(平屋で、比較的敷地規模が小さいということを除けば)、新規分譲の郊外型ニュータウンのよう、美しい。

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二階建の災害公営住宅も、和風デザインコードを遵守しています。上記の平屋以上に、新規分譲の郊外型ニュータウンのようです。

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現在、震災で影響を受けた市役所庁舎の建替えを建設中です。和風デザインコードに沿って、なるたけ低層で和風な建築意匠となるようです。

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