森林の仕事ガイダンスに参加。林野庁補助事業「緑の雇用」現場技能者育成対策事業の催事です。木材単価が低迷するなか、林業家の経営は補助金無しには成り立たないのが現実です。具体的にいうと、伐採をはじとする運営コストが、木材売却収入を上回っている限り、森林経営は成り立ちませんし、森林作業者の待遇は低いままになってしまいます。さらには森林に人の手が入らなければ、いわゆる森林が荒廃してしまいます。

今回は、林野庁補助事業「緑の雇用」を活用して、他業種から新規に林業作業者となり、森林の担い手となるための研修プログラムを受講している「緑の研修生」、2-5年目の若手が3名登場しました。一人は、女性です。前職は、それぞれ内装業・印刷業・医療と、まったく別業種からの転職だそうです。

<平木材市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43649810.html
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一人前になるのに3~5年はかかるという森林の仕事。以下が、一連の生産・出荷の流れですが、森林の仕事は、伐採に目が行きがちです。トークショーの中で、林業の機械化が進んだ結果、もっとも重労働なのが「地ごしらえ」ということを初めて知りました。
 
1. 地ごしらえ 
伐採した森林に次の苗木を植えるため、整地をする作業。

2. 植え付け
地ごしらえを終えた場所に、苗木を一本ずつ植付け。

3. 下草刈り 
植付けされた苗木の成長を妨げる植物を、年に2回程度除去する作業。

3. 除伐
形質の悪い木を除去する作業。

4. 枝打ち
無節な良質材の生産のため、枯れ枝やある高さまでの生き枝をその付け根付近から除去する作業。
 
5. 間伐
混みすぎた森林を、適切な密度にするための、間引き作業。

6. 主伐
伐採時期を迎えた木を伐り収穫。すべて伐採する「皆伐」だけでなく、部分的に伐採する場合もある。

7. 集材・運材
材地に散在している伐倒木や造材した丸太を林道端などの1ヵ所に集める作業。運材は、集材された木材をトラックなどに積み込み、木材市場や貯木場に運ぶ作業。

<いわきの林業 伐採現場コスト削減の救世主ハーベスターは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45860897.html 
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森林の仕事の魅力を、いろいろ話してもらいました。
・現場仕事が刺激的だ(重機を自由自在に扱うし、伐採はダイナミックだ)
・山を守っていくことにやりがいを感じる(苗木の成長を見守るのは楽しい)
・山で食べるごはんがうまい(イノシシをさばいて、食べることも)
・逞しくなり、健康になった(腰痛がなくなった)
・前職のスキルや経験を活かせる
・四季の移り変わりを肌で感じることが出来る
・都会では見られない自然の姿や景色に出会える
・仕事とプライベートのバランスが取りやすい(作業は、ほぼ毎日8:00スタート、16:00の定時終了)

一方、つらいことも、、、
・夏の暑さ(地ごしらえは木陰がなく、1リットルの水を飲み干してしまう)
・苦手な動物・虫がいる(スズメバチに刺された経験が複数ある)
・コンビニまでが遠い(現場から30分くらいかかる)
・常に危険と隣り合わせ(チェーンソーの取扱いや、伐倒)
・冬の作業がつらい(雪や寒さ)
・座学が眠い(複数の資格取得には、一定の座学の時間が求められる)

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林業に従事するには、森林組合の現場職員になるか、もしくは民間の林業事業体に就職するかのどちらかです。採用規模が大きいのは、前者で全国には約700の森林組合があります。福島県内には17の森林組合があり、いわき市にも「いわき市森林組合」があり、主に組合員(民間)の森林所有者から委託を受けて、林業の作業をします。森林組合は、お役所・公的機関ではなく、森林所有者(組合員)が出資して利用する、森林組合法に基づく協同組合です。農業でいうところの農協・漁業でいうところの漁協にあたる組織。

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福島県森林組合連合会の方にお話しを伺うことができました。福島県としての認定事業体(経営主体)は、80近くあり、いわき市だけでも14事業体があります(いわき市森林組合を含む)。そのうち、いくつかの事業体が集まって、磐城林業協同組合(磐林協、ばんりんきょう)を作り、国有林の管理等を受託しているそうです。

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作業服・安全靴・ヘルメット等の展示。最近の作業服には特殊な繊維が使われており、仮にチェーンソー事故が起きても、作業服の繊維がチェーンに絡みついて最低限の回転で停止するようになっているそうです。

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チェーンソーの実物展示。実際に持たせて頂きましたが、(意外に)軽い。女性でも作業できるという説明に納得しました(もちろん、軽作業レベルではないことは事実ですが)。

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森林作業者の給与は、一般に比べて低いと言われています。また月給制でなく日給制がほとんど。初任者で7000-8000円、ベテランで1万円/日といわれています。林業作業者に新規就業してもらうには、この待遇をどこまで魅力的な水準にできるかも大きな課題です。

<参考>福島県の県内総生産(GDP)は、6兆4000億円で、うち林業のGDPは63億円で、約5%強を占めています。それに対して福島県全体の一般会計予算規模は1兆7000億円で、うち林業関係予算は約20億円で、約1%。