ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員、高野誠鮮氏の著作です。石川県羽咋市の市役所職員・高野誠鮮氏は2005年、過疎高齢化で「限界集落」に陥った農村を含む神子原(みこはら)地区の再生プロジェクトに取り組み、それが大成功を収めます。その過程で高野氏は数々のユニークなアイデアを次々と繰り出し、そのアイデアを驚くべき行動力で実行していきます。その結果、多くの若者を誘致し、農家の高収入化を達成するという感動のストーリー。この高野氏、先日いわきにお越しになり、この本の内容を講演いただく機会がありました。

<高野誠鮮氏の講演は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43379582.html
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その農産物をブランド化するための手段として、著書のタイトル通り「ローマ法王に米を食べさせる」、正確にはローマ法王に米を献上することに成功。その成功した理由は絶対に「成功するまでやめなかったから」です。このエピソード以外にも、地域活性化のために、無数のアイデアを実行し、(おそらく、ほとんどの策が失敗し)、以下のように、いくつかは成功しました。

・棚田オーナー制度:第1号を品川ナンバーのジャガーに乗ったイギリス人領事館員にして、話題性のきっかけとした
・烏帽子親農家制度:酒が飲める女子大生に民泊させた。「携帯はつながらなかったけど心がつながって帰ってきた」といわしめる。
・空き農地・空き農家情報バンク制度:住民側の好き嫌いで入村者を選ぶ。
・神子原米のPR戦略:ローマ法王への献上を成功させたり、外国人記者クラブで記者会見したりと、ブランドとしての価値を追求。
・農家直営の直売所:粘り強い説得で各農家に出資を求めて、住民だけの会社を設立し、黒字化させる。建物のアイデアは、女性の意見のみ採用。
・UFOでの町おこし:宇宙飛行士をアメリカから呼んで講演させたり、自ら直談判してNASAやロシアから本物のロケットや探査機を調達して宇宙科学博物館を作った。UFOうどんがいきなり600杯も売れた。
・奇跡のりんご:自然農法の専門家、木村昭則さんを口説いて、自然農法塾を開塾。

外部業者に丸投げせず自分たちでやることで、失敗してもいいからノウハウが残る。可能性の無視は最大の悪策。人間は「知→情→意」の順に動く。予言者的発言はスルーする。山が高くないと裾野は広がらない。役人は役に立ってこそ役人。人からどう見られるかよりも仏さんがどう見ているかということに帰結する。等等の名言が各ページに頻出していて、本のページが赤いマーカーだらけになりそうなくらい、激しく勉強になる本でした。