いわきまちなかアートフェスティバル玄玄天 2015。昨年も平のまちなかの各所で開催されたこの芸術祭ですが、今年ももりたか屋・坂本紙店・いわき駅ビル・LATOV・La Stanza様等の各施設で展示されています。

<昨年の玄玄天2014は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/40137897.html 
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砂上のルンバに乗るカメ?フレコンバッグから突き出される女性の素足。逆立ちのそのフレコンバッグには目が?!昨年もそうでしたが、原発事故をモチーフにした作品が多いです。どの作品も異彩を放っていて、落とされた照明効果もあって、かなり怖いです(笑)。

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「玄玄天」の名前の由来は、草野心平が書いた、詩集『幻景』(筑摩書房)所収の詩からだそうです。
【玄】は、きわめて奥深いこと。深くはかり知れないさま。 
【玄天】は、北方の天。また、天および天にある太陽・月・星。という意味で 、
【玄玄天】とは、きわめて奥深い手の届かないような、天にあるものを指す言葉のようで、空のむこうの、遠くてみえない場所とい意味の造語なのだと思います。

以下、詩集『幻景』からの引用です。

ひろいひろい大空にはだんだんがある。
空気天。透明天。青天。玄天。玄玄天。即ち深い八方天。
自分は独り。地上から。無限の天を見上げるのだが。
層積雲が動いてきて。そしてまた北方に消えていった。
無限のその。玄玄の天はみえない。見えるのは単純な。Nippon Blueだ。
 
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フロッターイマージュという聞き慣れないジャンルの作品も展示されていました。岡部昌生氏の作品で、文化庁やはま・なか・あいづ文化連携プロジェクトにも選ばれているとのこと。

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ラトブの吹き抜けに飾られているのは、平七夕飾りに出品された、下神白プロジェクトのものです。下神白プロジェクトは、原発事故による長期避難者が移り住んでいる下神白団地の住民が、芸術家とっくんこと竹内寿一さんと共同で制作したものだそうです。その飾りのモチーフは、それぞれの出身地の代表するものです。例えば大熊町なら熊のマスコット「おーちゃん、くーちゃん」「梨」、双葉町の「薔薇」、富岡町の「桜」、浪江町の「大堀相馬焼」「鮭」等です。それらを全てを受け止め、集めてくれる「熊手」にごっちゃに盛り込んだのが、この七夕飾り。住民民みんな、それぞれの思いが、ぎっしり詰まっていることがわかり、ぐっときました。

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こちらも下神白プロジェクトの出品。下神白団地がある小名浜をモチーフにちぎり絵で、イメージをつくりあげた屏風。素人が集まって作ったとは思えない見事なものでした。

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いわき発の変な芸術集団「十中八九」が、平七夕飾りに出品し、賞をとったシーラカンスも再度、ラトブに出現!していました。

<十中八九は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45863839.html
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昨年に引き続いて、個性的、魅力的、そして怪しい展示で、突き抜けた感性の玄玄天。ぜひ個人的に応援したいし、いわきオリジナルの芸術として続けていって欲しいと思います。