筑波大学附属駒場中学校・高等学校(つくこま)といえば、中学入学の日本一の最難関校として有名ですが、その母体は旧制東京農業教育専門学校の附属校。場所もかつての、駒場農学校と呼ばれたところにあります。だからこそ、今でも中学1年生と高校1年生総出で、「ケルネル田圃」と呼ばれる水田における稲作実習を実施しています。そして、「園芸部」なんて素敵な名前の部活動があり、校内にホンモノの「畑」があり、それを見る文化祭の畑見学ツアーに参加しました。

<つくこまの文化祭 日本一の秘密は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/33792834.html
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畑は、校内の一角にあって園芸部が専属で管理・耕作しています。夏野菜だけでなく、冬野菜も栽培するので、ほぼ一年中、土いじりしているそうです。つくこまには、これに加えて述の「ケルネル田圃」、サツマイモの畑等も別にあり、農学校さながらの充実度。日本一の偏差値の難関をくぐり抜けた生徒が、毎日、土いじりにいそしんでいるのです。

しっかりと、白菜・ブロッコリー・唐辛子等の実がなっていました!

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白菜の葉の裏に、青虫を数匹発見。無農薬のため、毎日手作業で青虫を除去し、葉を食われるのを防ぐそうです。

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訪問したのは11月初旬でしたので、水田の刈り取りは終わっており、脱穀した藁を手積みで干している風景を見ることができました。懐かしい日本の原風景が、東京の一等地で見られるとは。

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今回の文化祭での一押しは、「折り紙部」の展示でした。とても折り紙とは思えない創作の作品が目を引きました。下の写真の作品名は「死に神」。どこからどうみても「死に神」です。粘土で作ったの?と思うくらい、精巧で質量感がある、陰影でした。これを設計図なしの創作で、紙だけで作ってしまうとのこと、驚嘆です。

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この他にも巨大な恐竜の作品や、動物を模した折り紙作品が、多数展示されていて、その技量と創作アイデアに舌を巻きました。こちらの生徒が、お勉強・ペーパーテストができるだけの秀才集団ではないことの一端をかいま見ることができました。

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会場出口には、出展作品・出展パフォーマンスを、参加者の人気投票で決めるスポットがありました。この仕掛けが秀逸!各出展作品・出展パフォーマンスごとに、10cm四方の枠があり、その中央に5cmくらいの穴が開けられています。参加者は、パチンコ玉を3つだけ渡されて、投票したい部門の穴に、パチンコ玉1個を入れていくという仕組みです。板の裏には、パチンコ玉を受けるプラスチックカップがあてられていて、そこに投票されたパチンコ玉がたまっていくのです。これって、人気投票の途中経過も、結果集計も瞬時にできます。あったま良い!このやり方は、他の学校でも取り入れやすいのではないでしょうか。

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もうひとつ来場者の参加意識を高めるための仕組みが、参加者にひとことコメントを、小さなシールに書いてもらい、それを会場出口の巨大な板に貼ってもらうというもの。

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来場者にアンケート用紙を配布して、感想等を書いて回収するのは、どこでもやります。ただこの方法だと「長いコメントを書くのが面倒」「来場者にとって、アンケートを提出するメリットがない」等の欠点がありました。つくこまのこれは、コメントを各欄が小さいのでとっつきやすいこと、そして来場者の自分のコメントが貼り出されることで、参加意識が持て、手を動かしやすいということです。これも他の学校も取り入れやすいのではないでしょうか。

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