今年大ヒットした映画、「超高速!参勤交代」の続編の小説が、同じ著者によって出版されています。前回のあらすじは、江戸期、徳川吉宗の治める時代にわずか1万5,000石の小藩、磐城国の湯長谷藩。その湯長谷藩が、幕府から突然の参勤交代を言い渡されます。湯長谷の金山を我が物にしようとする老中松平信祝から、藩主・内藤政醇(ないとう まさあつ)は通常8日を要する行程を5日以内に参勤交代せよと命じられてしまいます。この仕打ちに激怒した政醇は知恵者の家老に命じ、参勤交代を完遂するための奇想天外な作戦を仕掛ける、というものでした。

今回の続編「老中の逆襲」は、行きの前編に対し、その参勤交代の帰りが舞台です。今度は、「5日以内に江戸へ参勤せよ!」との命令です。今度こそ、内藤政醇に恥をかかせ、領地を取り上げてしまおうという欲望・野望。それを阻止するための作戦。 最後は、老中1万2000人 VS.湯長谷藩7人のサムライとの決戦、という荒唐無稽のお話しです。
<超高速!参勤交代 磐城国の湯長谷藩の物語 全国での封切りは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/34737297.html
 
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もっとも、続編ということで2番煎じの面は否めない。ストーリーの基本的な枠組みや、盛り上げる仕掛けもほとんど前作と同じだからです。
・敵が老中、味方が湯長谷藩のサムライと傭われ忍者、というのが同じ
・舞台が、水戸街道というのも、同じ
・参勤交代の人数をかさ上げする、姑息な手段も、同じ
・行程中に、忍者や侍に、襲われるのも、同じ
・カネがないのも、同じ
・お咲と琴姫が、内助の功をするのも、同じ
・終盤に、荒唐無稽なありえないチャンバラをするのも、同じ
・敵に、ぎゃふんといわせるのも、同じ

小説の中で、盛り上がるとしたら、お咲と琴姫が、江戸藩邸で、幕府の使者を色仕掛けをするシーンでしょうか。元飯盛り女のお咲が、長刀使いのベテランで主人公の妹である琴姫に、男性の落し方を伝授し、使者を籠絡して監禁してしまうんです。男が喜ぶ声の出し方や男性の欲望を手玉にとるシーンは、映像に・・しづらいだろうなあ。

前作では、磐城国の湯長谷藩の物語であるにもかかわらず、一度もいわき市内で撮影・ロケハンが行われませんでした。その反省を踏まえて、この老中の逆襲では、ロケが市内で行われ、「じゃんがら」の様子が出るとともに、キャストとして、村長役でいわき市長が出演するそうです。良かったですね。

<超高速!参勤交代への苦言は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38989368.html