閼伽井嶽の中腹にある閼伽井嶽薬師(あかいだけやくし)は、いわき三大薬師のひとつだそうです(波立薬師と八茎薬師)。その常福寺で、「火祭り」とも呼ばれる、参拝者が護摩壇(ごまだん)の灰の上を裸足で歩く「火渡り行」が行われました。正確には、8/31と9/1に行われている常福寺の夏大祭の一部で、「柴燈大護摩」(さいとうおおごま)と呼ばれる演目だそうです。かつて、柴と薪で護摩をたいて毒蛇を退治するためにはじまったとのこと。現在では、厄を落とし無病息災などを祈願します。知人のお誘いで、火傷覚悟でやってきました。

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山あいに山伏の衣装で身を包んだ修験者が吹くほら貝の音が響き、境内に厳かな雰囲気が漂う中、儀式は行われます。いつもは静かは参道にも屋台が立っていました。大きな旗は、氏子を中心に寄贈されたもの。シンプルでしたが、非常に立派でした。
 
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儀式の最中に、参拝者の願いごとを書いた護摩木を、護摩を炊くのと一緒に燃やします。1本300円。3つのお願いがあれば、3本が必要です。

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正午から山伏の衣装に身を包んだ修験者達が、ほら貝を吹きながら、祭りの開始を告げます。縄で囲まれた道場の中央には護摩壇が置かれ、そこで山伏が集団で祈祷する姿は、霊験あらたかです。なお山伏は神仏習合の典型で、神社でも寺社でもOKだそうです。
 
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京都の有名な寺から来た山伏だそうです。非常に長い口上を、すらすらと読み上げて儀式が進行しました。

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弓矢を放つ儀式。

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ついに火祭りに開始です。山伏2名が松明から口火を取ります。

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そしてモミの木の小枝がうずたかく積まれて作られた護摩壇に点火。しばらくは燻されたような煙がもうもうと立ち上がります。

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しばらくするとところに、護摩壇の骨組みに完全に燃え、モミの枝に燃え移って猛々しく燃え上がります。まさに火祭りそのもの。同時に訪問者の祈願を書いた護摩木が次々と投げ込まれれます。参拝者の中には、かばんやバッグを出して、山伏に手渡し、火に軽くあぶってもらうということをしていました。入っている財布の中身が倍増するそうです。
 
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護摩が激しく燃え上がっている横で、火をモチーフにしたお札を1本500円で行商していました。燃え上がる護摩の勢いに押されて、なにかそのパワーにあやかりたいと、ついつい買ってしまいます。売る方も買う方も、お互いWIN-WINの関係です。

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護摩壇が燃え尽きると、ついに火渡りの準備が始まります。その間、山伏の祈祷が続きます。

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多くの老若男女が長蛇の列をつくり、合掌をしながら灰の上を一歩ずつ踏みしめて家内安全や無病息災を祈っていました。燃えた直後ですから、確かに熱いです。一方、多数の参拝客に踏み固められていますので、足の裏のやけどにはなりませんでした。よかった、よかった。

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