小名浜港でのコンテナを利用した輸入量で、外国産材木は2-3割という大きな割合を占めています。外国産材の多くは、北欧(フィンランド、スウェーデン)産、一部はカナダ産です。ヨーロッパからは約40日をかけて、カナダからは15日くらいかけて東京港・横浜港に運ばれ、フィーダー船という比較的小さな内航船に積み替えられて、小名浜港にやってきます。フィーダー船の多くは、東京・横浜~仙台の定期便で、その途中に(荷があれば)小名浜に寄港するというイメージです。現在、週3回程度、小名浜港に寄港しています。

小名浜港で荷揚げされたコンテナは、通関手続きを経て、陸送で木材加工業者の倉庫へ運ばれます。そこでコンテナを開梱して積み荷である外国産材を出すのですが、その積み卸し作業を「バンニング」といいます。現場の方は、コンテナから木材を出すこと「バン出し」作業と呼んでいました。

木材加工業者の倉庫でのバン出し作業を見学させていただく機会がありました。フィーダー船が小名浜港に着いて通関が終わったコンテナを、小名浜港湾地区にほど近い倉庫・敷地に運ぶところです。荷主は、集成材の加工業者のキクモク様です。

ちょうど、磐城通運様の運転で、コンテナヤードがある大剣埠頭から、40フィートの背高コンテナ1個が運ばれてきました。トラックの荷台に高さをあわせた積み卸し台にバックでつけます。
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手際よく、担当者がコンテナを開けて、フォークリフトの腕が入るように、作業します。1人がコンテナにつき、2名がフォークリフトを運転、合計3名だけで積み荷を降ろしてしまいます。

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最初にフォークリフトの腕を荷の下に差し込み、「転がり棒」を使いながら、積み荷を引っ張り出します。
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最初は引っ張り出すのに一手間かかりますが、「転がり棒」に積み荷が乗ると、スムーズに積み荷が出てきます。積み荷は高さ1.2m×幅1.2m×長さ5mくらいで1パック。それが2段になっています。1コンテナで12パックが積み込まれていました。

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1パックの重さは約2.5トンですから、5トン近くの荷物を引っ張り出していることになります。重さで木材が、ぐっとしなります。荷崩れして下敷きになったら、ひとたまりもない。

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積み重なっている2つのパックを2台のフォークリフトの連携作業で、もう1台が上の荷を横からすくい上げて、倉庫に運んでいきました。

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上のパックを運んだら、下のパックも順々に倉庫へ運んでいきます。2.5トンもあるパックですが、軽々と、しかもドリフトするか?と思うくらいのスピードで、どんどん運んでいきます。熟練の技です。
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12パックすべての積み荷を降ろすまで、たった10分間。仮に1ヶ月に120-130個のコンテナを輸入するとすると、毎日6-7回のこの積み卸し作業が必要になる計算です。

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降ろした外国産材パックは、倉庫に仮置きされます。現在、外国産材は現地で含水率は10-15%程度まで乾燥処理されてから輸入されます。以前は乾燥させないこともあったそうですが、カビルおそれから、乾燥後の輸入が主だそうです。倉庫も雨風除けはありますが、通風の確保のため壁はメッシュシートです。
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集成材をつくるための半製品を「ラミーナ」といいます。ラミーナを接着剤で貼り合わせて、十分な強度を持たせることで、構造材として使える集成材になるわけです。

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ラベルの読み方をおしえてもらいました。
6261080:先方の出荷ロットの番号
34×112 Lamina:幅34mm、高さ112mmのラミーナ
3.6:長さ3.6m
288kpl:288本入り
3.94㎥:総体積3.94立方メートル
KD RED:アカマツ

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このラミーナは、市内の集成材加工業者である「キクモク」様で、加工され、全国へ出荷されていきます。北欧から来た材木が、東京経由でいわきに到着し、加工され、日本各地へ送られていっています。グローバル社会を実感します。

<キクモクさんで集成材加工作業は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45269519.html