従来のデータでは、宿の成功は100%あり得ないというロケーションで、開業後わずか3か月で客室稼働率9割を超えた、新潟県大沢山に開業したライフスタイル提案型の宿泊施設「里山十帖」の成功のストーリーを紹介する本です。そのオーナー兼クリエイティブディレクターであり地方創生のキーパーソンとしても注目される著者が、開業1年の軌跡と、イノベーションの秘訣を語っています。

その秘訣は、、、事業計画書では語られない、「デザイン的思考」という新たな思考法。データや計画よりも「地の利」の活かし方や、宿に集う人々の思いや体験をデザインすることが大事と説きます。具体的行動としては、「データを見ない」「共感を絞り込む」「モノよりコト」「物語のある商品」「地域への貢献」等。

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これまでは、Plan(計画)して、Do(実行)して、See(見直して修正)するのが定説。そしてPlanはマーケティングでやり、その結果をデータをとって修正していくのが定説とされてきました。しかし、それでは現状の閉塞感を打破できず、顧客の感動や共感は生まれない。

著者であり、雑誌「自遊人」の発行をてがけている岩佐十良氏は、これまでの宿の計画・建設・運営を通じて、資金を含めたデータや計画の大切さと怖さを、実体験しています。

絶景日本一選出の露天風呂、3つ星出身の料理人が作る“自然派 日本料理”。温泉宿初のグッドデザイン賞「BEST100」。デザイナーズ家具やアートを配した館内等等、独自の感性を売りに、厳しいホテルビジネスの世界で成果を出し始めているようです。機会あれば、ぜひ宿泊してみたいです。
 
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