平成27年6月議会 いわき産米の販売促進について
7番 吉田みきと
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(1) これまでの平成26年産米について
(ア) オリジナル袋の配布枚数について
これまで福島産米は風評被害があると吹聴されてきましたが、一方、福島産という県内いっしょくたではなく、いわき産米として差別化していく活動があります。具体的にはいわき市内初の統一ブランド米「Iwaki
Laiki(いわきライキ)」という名前で、いわき地域の恵み安全対策協議会が主となり、平成26年いわき産コシヒカリがオリジナルのパッケージに入れられて、市内量販店において昨年10月から販売されております。まず、販売にあたり、当初作成した袋の配布枚数について伺います。
(農林水産部長答弁)いわき産コシヒカリ「Iwaki
Laiki」は、原発事故に伴い著しく低下した本市産米の信頼回復とブランド化を図るため、米の流通、JA、米穀業者、市の計14団体へ構成するいわき地域の恵み安全対策協議会が立ち上げたものであり、販売開始にあたり、同協議会がオリジナルの5kg用のパッケージを1万袋製作し、会員である市内2JA及び米の集荷業者6社へ配布したところであります。
(イ) Iwakiロコモコ丼キャンペーンの成果
ハワイでポピュラーなハンバーグと目玉焼きがご飯に乗った料理「ロコモコ」があります。「Iwaki
Laiki」を使った、新しい食文化のブランド化を目指すべく、「いわき産トマト」と「カジキハンバーグ」も取り入れた、いわきオリジナルロコモコが、小名浜アクアマリンパーク周辺の3店舗で3月にIwakiロコモコ丼として試験販売されました。
そのIwakiロコモコ丼キャンペーンの成果について、開催期間内に何食売れたのか伺います。
(農林水産部長答弁)「Iwaki ロコモコ丼」春のご試食キャンペーンにつきましては、カジキグルメ実行委員会とのタイアップにより、「Iwaki Laiki」と「カジキ」、市内で生産された野菜等を使用した新メニューの提供により、「Iwaki Laiki」の話題性の創出と消費の拡大のために実施したところであります。
このキャンペーンは、本年3月7日から31日までの25日間、アクアマリンパーク周辺の3店舗で開催され、約300食を食べていただいたところであります。
(ウ) 市としての評価
私も小名浜の「さすいち」さんというレストランで、Iwakiロコモコ丼をランチでいただきました。3店舗同一価格1食1200円とのことでしたが、正直、美味しい海鮮丼やお刺身定食をさしおいて、あえてロコモコ丼を選択するのにはちょっと勇気が要りました。
Iwakiロコモコ丼キャンペーンの結果について、いわき地域の恵み安全対策協議会のメンバーとして、またその事務局として、いわき市はどのように評価しているか伺います。
(農林水産部長答弁)今回のキャンペーンにつきましては、初めての試みということもあり、開催時期や期間、価格設定など、今後に向けた課題も一部見られたものの、販売数の面からは、当初の目的とした「Iwaki Laiki」と「カジキ」を組み合わせた洋風な食べ方の提案が消費者に受け入れられたといえるほか、同時に実施したアンケートによれば、初めて「Iwaki Laiki」を食べたがおいしかったなどのご意見をいただくなど、「Iwaki Laiki」のPRに一定の効果があったものと考えております。
(エ) 平成26年度の取組みについて
Iwaki
Laikiオリジナルのパッケージの1袋5kg・1万袋は量にして約50トン、一方、いわき産のお米の収穫量は約2万トン強といわれておりますから、Iwaki
Laikiはその約0.2%にも満たない販売量でした。まだまた試験販売のステージであり、本格的な販売とはいえません。また販売価格にも大きな課題があります。他県だけでなく同じく福島県産米に比べても、非常に安い価格帯となっております。市内量販店の実売価格を店頭で調べたところ、10kgベースの通常価格がいわきライキが2,480円に対して、会津産ひとめぼれが2,790円、会津産コシヒカリが3,380円でした。ちなみに秋田産あきたこまちが3,080円、北海道産ななつぼしが3,080円、北海道産きらら397が2,980円と、いわきライキはいずれの銘柄よりも圧倒的に安く消費者に販売されておりました。またいわきライキは、特売セールの対象となることが多く、その場合さらにその100円引等で販売されております。ブランド化という意味は、消費者がそのブランドを信頼し、汎用品よりも高くても購入したいという動機づけのひとつですが、いわきライキは残念ながら、まだそれができていない状態にあります。このままでは、いわきライキは、低価格帯のお米であるというおかしなブランドイメージの定着につながりかねません。何よりも、そのような低価格米を作っていることということにより、生産者である農家のやる気が失せてしまうことが何よりも懸念されます。早急な対応が必要と考えます。販売数量が少なかった点、また店頭での実売価格が低かった点等、ブランド化に向かって諸課題を認識されているかと思いますが、平成26年度の取組みに対しての課題について伺います。
(農林水産部長答弁)昨年10月より販売を開始したいわき産ブランド米「Iwaki
Laiki」は、協議会が当初設定した1万袋の販売目標を約2ヶ月で達成することができたほか、観光施設へ販路を拡大するなど好調な販売を維持していると考えております。
さらに、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等のマスメディアを活用した情報発信及び地域団体を連携した企画の実施により、消費者への認知度が向上しているものと受け止めております。
昨年度は、取組み初年度ということもあり、ブランドの発信に主眼を置いたところでありますが、今後、市内の消費者に「Iwaki Laiki」を着実に定着させ、市外へ拡大していくためには、通年にわたり話題性を欠くことなく継続的な情報発信をどのように行なっていくのかが課題であると考えております。
(2) 今後の平成27年度の取組みついて
(ア) 安定した味覚を維持するための施策
私もスーパーの店頭で、はじめていわきライキを購入して食べてみたところ、非常に美味しかったです。しかし次に買ってみたところ、「おや?」という味で、前回の味ではありませんでした。どうも味覚の均質化ができていないように感じられました。会津等、美味しいお米といわれる他地域では、すべての米の粒の大きさを機械で揃えたり、機械で味覚をチェックしたり等の品質管理を行なっていると聞きます。差別化、高付加価値化を考えていく上で、いわき産米の取組みについて伺います。
(農林水産部長答弁)協議会では、いわき産コシヒカリの味覚や生産者の意欲向上をはじめ、米の取引価格への波及効果も期待して、「一般財団法人 日本穀物検定協会」が実施する食味官能試験において、最高ランクである「特A」の取得を目指すプロジェクトを本年度開始したところであります。
当該試験へ向けては、生産工程の管理を行ないながら平成27年産米を評価の対象とできるよう進めているところであり、生産者や県、JA等の関係機関と連携しながら出品する米を生産する圃場を選定し、本年5月には作付けを行なったところであります。
(イ) Iwakiロコモココンテスト
差別化を考えるにあたって、まず基本的な能力・性能である美味しいという味覚が備わっていないと、差別化は単なる商品名を示すPR施策に過ぎなくなり、消費者に無視され目指すべき目標が達成できなくなります。ぜひいわきの米・農業者の威信と誇りをかけてとりくんでいただきたいと思います。
では、昨年度実施したキャンペーンを引き継いだ、今年度のIwakiロコモココンテストの内容について伺います。
(農林水産部長答弁)本年度におきましては、「Iwaki ロコモコ」食べ歩きキャンペーン事業として、「Iwaki ロコモコ」のコンテストや食べ歩きの開催、提供店舗などを紹介するグルメマップの作成を予定しており、当該事業を通じ、「Iwaki Laiki」を市内外へ発信し、消費拡大を目指しているところであります。
そのうち「Iwaki ロコモコ」コンテストは、市内の農産物・水産物のイメージ回復と「Iwaki Laiki」の新しい食べ方の提案などを目的とし、「Iwaki Laiki」と「カジキ」、市内で生産された野菜等を使用したオリジナルの「Iwaki ロコモコ」を幅広く市民から提案いただくため開催するものであります。
コンテストに提案のあったメニューの中から、可能なものにつきましては、食べ歩きキャンペーンでの提供も予定されているところであります。
(ウ) 民間事業者の取組み
めぐみ協議会会員の中には、独自の商品を開発され「オコメール」という商品に取り組んでいるところもあります。これは通常の郵便で、いわき産のお米1合分を全国どこにでも送れる商品で、全国を見回しても目新しい商品であります。厚さわずか1cm、パッと見は封筒か何かのようでありながら、手に取るとハッキリと「おコメの感触」が感じられ、ノベルティとして配布すれば注目されるでしょう。表面にメッセージや企業広告も印刷できるので、受け取った人の記憶に確実に残る「強烈な広告メディア」にもなります。こうした民間取組みについて、めぐみ協議会としてどのように捉えているか伺います。
(農林水産部長答弁)「Iwaki
Laiki」につきましては、歩留まり90%のいわき産コシヒカリとパッケージデザインにより、統一したブランドイメージを創出したものであります。
そのパッケージデザインをどう使用するかは協議会会員の創意工夫で自主的に取り組むことができるものとなっております。
当初は5kg用から始まりましたが、消費者ニーズに合わせ、現在、10kg、500g、150g用など種類が増えており、協議会会員の独自の取組みはブランドイメージの向上に効果のあるものと捉えております。
協議会といたしましても、これらの取組みを一時的なものにすることなく、このブランドを大切に育てていきたいと考えております。
(エ) いわき地域の恵み安全対策協議会メンバー外への拡大
現在Iwaki
Laikiのパッケージ使用は、めぐみ協議会会員に限定されております。残念ながら、市内の中小米穀店の多くは会員に含まれていないため、協議会会員から仕入れない限り、それらの中小業者の店頭でIwaki
Laikiを購入することができません。中小業者こそ、大手流通業者のような特売をしないで、こつこつと大事にいわき産お米を売っていただる大事なキープレーヤーであります。このような、小さな事業者、すなわちまちのお米屋さんこそ、お客との関係性や対話により、IwakiLaikiに付加価値をつけて販売できる先ではないでしょうか。Iwaki
Laikiの扱いを拡大すべきと考えますが、市のお考えを伺います。
(農林水産部長答弁)「Iwaki Laiki」のパッケージデザインの製作は、協議会会員自らが負担金を拠出し実施した経緯があることから、袋のデザインにつきましては、協議会の規約において、会員のみが使用できることとしております。
したがいまして、会員以外の事業者の使用につきましては、今後、協議会において協議を行なう必要があるものと考えております。