新築の障害者施設を見せて頂きました。地元産スギ材をふんだんに使い、南面に大開口部をとってある建物は、暖かみがあって明るい。天井高があり、空間のひろがりがあります。利用者さんにはもちろん、職員さんにとっても働きやすい環境です。既存施設にはない、いろいろな知恵が詰まっていました。

設計者は、木造公共建築物で実績のある、株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ、施工は、大手ゼネコンの鹿島建設株式会社です。

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施設の種類: 指定障害者支援施設 応急仮設施設
施設名: あぶくま更生園
入所定員: 生活介護40名、施設入所介護46名、短期入所2床
敷地面積: 9,216㎡
建物構造: 木造平屋建
延べ面積: 2,892㎡

建築事業費は約14億円だそうです。単純計算でいくと建物の建築坪単価は、約160万円/坪。ゆったりとした空間の創造には、それなりのオカネがかかっています。

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1ユニットが10室の個室で構成され、男性30名、女性20名が入居します。配置図を見ての通り、直線的な部屋割りでなく、わざとジグザグに配置し、くぼみを作ることにより、個室に閉じこもらなくても自分のスペースを確保できるような配慮だそうです。

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お風呂は一見、シティホテルの大浴場風です。入浴に際して介護な入居者も多いとのことなので、介護を想定し、機械浴も用意がありました。

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当該施設は、震災当時、川内村にあったのですが、震災後の放射能を避けることから、川内小学校や千葉鴨川市の青年の家、田村市の応急仮設住宅へと転々と移動してきました。震災から4年を経過して、やっと落ち着いた住処を手に入れることができたようです。

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