最近の回転寿司の流行は、こぼれ盛り(メガ盛り)や、セットもののようです。これまでは、価格が安いことがウリの回転寿司でしたが、いまは、店内の雰囲気・楽しさや、見た目のインパクト、盛りの美しさなどが重視されています。

こぼれ盛り3点セットなどは、その典型。ネタとしては、ウニ・イクラ・ネギトロ・ホタテ・マグロブツ・トトロ等と、それぞれの具はそれなりのものですが、ここまでの種類が一緒の巻物に盛られると、もはや何の寿司だか、判然としません。一方、見た目には、豪華だし、朱(マグロ)をベースに、肌色(ネギトロ)や橙色(イクラ)、白色(とろろ)が、海苔(黒)の上に、踊っているかのように動的に飾られ、色彩的には美しいです。

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春のセットもの。カツオ、桜エビ、白魚、ホタルイカのセットです。ひとつひとつはそれほど好みのネタでなくても、このような季節モノとして出されると、つい手が出てしまいます。回転寿司は、店内の内装や家族向けサービスを初めとした新たな顧客のウォンツをつかむために、いろいろな手を使ってきています。従来の伝統を守り、クオリティの高い寿司を、職人が精魂込めた逸品として提供している寿司屋さんにとっては、なるべく職人の手をかけない回転寿司は邪道、本来の寿司を冒涜しているという見方も事実でしょう。ネタの表示も必ずしもサカナの名称や原産地表示が100%正しいかどうかも怪しいかもしれない。ただこのようなアイデアを積極的にメニューに取り入れる姿勢は、一消費者の視点でその努力を歓迎したいです。

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