憲政記念館は、永田町の国会議事堂に隣接する国会前庭内に建つ、議会政治の展示施設です。1960年に、憲政の功労者である尾崎行雄氏を記念して、尾崎記念会館が建設されました。その後議会開設80年を迎えたのを記念し、尾崎記念会館を吸収して1972年に現在の憲政記念館が完成したとのこと。こちらの施設を今回、はじめて訪れる機会がありました。

尾崎行雄(号は咢堂)は、日本の議会政治の黎明期から戦後に至るまで東京市長や衆議院議員を務め、当選回数25回・議員勤続年数63年・最高齢議員記録94才と複数の日本記録!を有することから「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれる方です。首相を経験していないのが不思議なくらい、尋常ではない経歴の方です。
 
国会の組織や運営などを資料や映像によって紹介するとともに、憲政の歴史や憲政功労者に関係のある資料を収集して常時展示するほか、特別展などが開催されています。一般庶民にとって、とても心理的な敷居は高いのですが、実はどなたでも入館料は無料、平日だけでなく土日も開いている、きわめて開放的な施設でした。
 
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江戸時代の初めには加藤清正が屋敷を建て、江戸時代末期には彦根藩の上屋敷となりました。明治以降には陸軍省、参謀本部、陸地測量部(国土地理院の前身)があった場所だそうです。大老職を務めた井伊直弼はこの地から籠に乗って江戸城へ登城し、現在の警視庁の前の桜田門外で暗殺されました。太平洋戦争中は、この陸軍参謀本部から前線へ指令が出されたいたとは感慨深いです。

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