最近「婚活」という言葉が、かなり一般化してきたと思います。少し前までは、結婚に対して力が入っていることは、カッコ悪いというイメージがありましたが、カッコ悪いなんていっていられないくらい、がんばらなければ結婚至らない時代になってきたのかもしれません。私は、「婚活」という言葉があまり好きではありません。なぜなら、婚活にがんばる方ほど、男性が引いてしまい、本音では気持ち悪がられてしまうだろうからです。だって、世の中の婚活プロジェクトでうまくいっているケースは、ほとんどない。地方自治体が、合コンならぬ「婚活コン」などをやりはじめていますが、これも気持ち悪い。そもそも婚活が社会問題として叫ばれてから10数年経って、有意に差がある「結婚するカップルが増えた」という話は聞いたことがないし。国民からさらった税金というオカネと、高コストの人件費のムダだと思う。

そんなネガティブが先入観をもって、本書を読んだら、目からウロコ!このスパルタ婚活塾を実践したら、多数の潜在的なカップルの恋愛がうまくいくかも!女性の婚活本は数あれど、本書は著者が男性、それも完全に「徹底的な男目線」で、女性がどういう心持ちでどう行動すれば結婚に至ることができるのかを、独自の恋愛理論で書かれています。これが抱腹絶倒、とてもおもしろい!独自に編み出した数々の恋愛理論、会話の「アウェイ理論」、出会いを生む「アウトレット理論」、婚活理論「NGP理論」など、ほとんどジョークに見える主張も、実は実際の恋愛現場で、そのまま役立つものばかりだと思います。

要約してしまえば、恋愛は生まれ持った容姿や才能ではなく、本人の努力で理想の結婚を手にする、という当たり前のものですが、本書は、それに至るためのプロセスを具体的かつリアル現場でどういう心持ちをもって、どう行動すべきかを、男性がどうそれを捉えて結婚したいと思ってもらうかに、最大の力点を置いています。そのアプローチは、「実際に男にモテている女性を、男目線で徹底的に分析した」というもの。例えば、「美人ではないのにお金持ちや芸能人と結婚した女性」を対象に研究し、彼女たちの共通点を抽出。そして、「美人なのにまったく男に縁のない女性」と「美人ではないのになぜか男に囲まれている女性」を比較研究し、その違いを把握。「モテない女性が男性の前で犯す失敗」と、その失敗を未然に防いでいる魅力的な女性の立ち振る舞いを把握。この本は、恋愛に悩める全ての女性(あまりにダイレクトな表現はきついので、20才以上かも・・・)にオススメです。

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偉そうな男性目線で書かれています、実は、婚活に悩む妙齢女性をとてもリスペクトし、応援しているのが感じられます。コバカにしているの?というような文体も、一貫して「自分や他人に嘘をつかない。コミュ力を鍛えろ。ポジティブに貪欲にいけ」というメッセージが流れています。具体的なテクニックがちりばめられていますが、その本質は、「小手先のテクより、自分の心持ちを変えること。「上っ面のウソのリアクションはキモいし、見破られる。目線を変えて、心からそう思えるところまで、自分を持っていけ」。

ただの恋愛マニュアルとはまったく異なり、内容の濃さ、何よりも実用性は素晴らしい。「AVは、見とけ。」けだし、名言です。ただ表紙がピンクで、人に読んでいることを見られると、ちょっと恥ずかしいので、ひと目につかない場所でこっそりと読むことをオススメします。婚活に疲れた女性は、高尚な自己啓発本を読むより、本書を読んだ方が元気が出るはず。もし自分が妙齢の女性から婚活の相談を受けたら、この本をプレゼントするつもりです。