修身は、戦前の小学校で教えられていた現代の道徳にあたる科目です。本書では小学校1-3年生の修身の教科書を再現しています。豊富な挿絵と文章が収録されていて、文字の大きさや1年生用のカタカナ表記もそのままらしい。単にイラストと文字をコピーしてきたのではなくて、総ルビ・現代語訳・用語解説も付いて 子ども達でも読めます。ひとことでいうと、そこには日本人としての大切なことがわかりやすく説かれています。昨今の教育改革の中で、道徳教育のあり方が問い直されていますが、日本人の原点を振り返るのにふさわしい一冊です。

正しい日本人の姿がここにある。二宮金次郎や「三本の矢」の元となったエピソードなど、昔の日本人ならば誰もが知っていた話も多数掲載されています。

■1年生:よく学び よく遊べ/兄弟仲良くせよ
■2年生:自分のことは自分でせよ/恩を忘れるな
■3年生:堪忍/よい日本人

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監修の渡部昇一氏は、80歳代になって、幼少時に良い話を聞かせることの重要性に気がついたそうです。自分で考え出した名案と思っていたことが、実は、昔からあった話で、小学生のころに聞かされていた話だった。「子供の時に読んだ話は、そのときに感心してもすぐ忘れる。しかし10年も20年も経ってから、人生のある局面においては、昔読んで、感心して、忘れていたような行動を選択するものなのではないか。」よい話は記憶の底に刷り込まれ、行動に現れるのかもしれません。

「正直であれ」「人の過ちを許せ」「恩を忘れるな」「規則に従え」「人の難儀を救え」「行儀よくせよ」「生き物を憐れめ」「仕事に励め」「学問をせよ」「師を敬え」「自分の物と他人の物」など、人間としての基礎としての教育を受けていたからこそ、日本という美しい国柄が保たれてきたのかもしれません。現在の小学校で教えられている道徳の授業は、なにか空虚で、子ども達に聞いても、「時間の無駄」「何をいっているか意味わからない」そうです。大切な教科であるはずなのに、どうも方向性を誤っているような気がしてなりません。今こそ、修身教育の本質を再度捉え直し、現代に合うように構成しなおして、再現するべきだと思います。