最近、ビジネス書を、ポップなマンガ仕立てにする形態が多いですね。そしてそこに登場するのは、必ずといって若い女の子が登場し、最初は全くの素人が、失敗しながらいろいろな方の教えを学んで、経営学の実践をしていくという点が共通しています。こういったジャンルは、書籍・マンガ・ムック・雑誌いずれに分類されるのでしょうか。

今回、読んだのは「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ」。元ネタはシリーズ100万部突破のビジネス書だそうです。著者は、実際にディズニーで長年勤務し、人事制度に深く関与し、現在の形を作った方です。ディズニーがアルバイトをどのようにトレーニングしていくか、というエッセンスが詰まっています。チーム全員がリーダーの意識を持つにはどのような人材育成をするのか。

<筋書き>
体を壊し引退する父に代わり、老舗の旅館「森花旅館」の次期経営者候補として現場に入ることになった兄妹。兄はMBA卒の商社マン、妹はおっちょこちょいの新米仲居さんです。経営を任されたが早速空回りする二人の前に、20年来の常連客が現れて、苦言を呈します。試行錯誤しながら、常連客から「ディズニーの教え方」の指導を受け、少しずつ改善しながら、経営難の旅館を立て直していくというもの。

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確かにおもしろい。2時間で読み切ってしまいました。著者が繰り返して述べているのは、コミュニケーション。当たり前のようですが、昨今のビジネスでは一斉メール、掲示板、共通カレンダー等で、要件を伝えるのが効率的・効果的とされています。それを否定するものではないけれど、顧客に接するのは人、スタッフに指導するのも人、経営を考えるのも人です。人が働く理由はそれぞれですが、やりがいを持って働くには、心と心がつながることが第一だということを改めて感じました。