いわき市には71校の小学校、42校の中学校があります。昨今、少子化に伴って学級数の減少が深刻です。一般的には、1学年の学級数が1個だけになってしまうと、クラスの入替えがなくなり、友達の交流機会の減少、入替えによる気持ちの刷新等がなくなり、マンネリ化してしまう面があります。なお、私の母校である平第三小学校は、当時、1学年5クラス(特殊学級も入れれば6クラス)で1クラス40人だったので、クラス替えは新たな友達ができる楽しみでもあり、親友とクラスが分かれる悲しさもあって、それはそれで良い経験になったのではないかという個人的感想があります。

いったい市内で、どのくらいの学校が1学年の学級数が、クラス替えがない「1学年1クラスだけ」(1校6学級以下)なのかを調べてみました。すると、31校、全体の4割以上の小学校が「1学年1クラスだけ」(1校6学級以下)でした。さらにその内15校は5学級以下、すなわち複式学級といって、2つ以上の学年をひとつにした学級で授業をしています。これは学年による学習進度の違いもあり、あまり教育上良くないといわれています(もちろん、少人数による良い面もあるのでしょうが)。

先日、訪問した田人第二小学校は、複式学級でしたが、少人数教育の良いところを最大限活用して、生徒ひとりひとりに目が届く、のびのびとした環境でした。しかしながら、児童の友達との関わり等の教育上の観点及び財政上の制約から、田人地区において統廃合となりました。

<田人第二小学校 閉校予定>
http://www.mikito.biz/archives/35989695.html

逆にすべての学年が2クラス以上ある(すなわち12学級以上)学校は、半分に満たないということもわかりました。当面、入学する児童数の減少傾向は不変ですので、この割合が減ることがあっても増えることはなさそうです。

文部科学省が公表した手引案によれば、6学級以下の小学校、3学級以下の中学校は教育上の課題があるとして「統廃合などの速やかな検討」を求めています。その基準によればいわき市内で検討対象となるのは、全体の16%にあたる18校。
 
<小学校15校>大野一・大野二・久之浜二・川前・桶売・小白井・好間三・好間四・白水・田人・沢渡・三坂・差塩・永戸・永井
<中学校3校>川前・小白井・差塩
 
なお上記のうち、沢渡小・三坂小・差塩小・永戸小・永井小と差塩中は、公式な説明会だけでも10回の地区説明会を経て、平成27年4月からの三和地区学校統廃合に向けて準備が始まっています。残りの12校を今後どうしていくか、各地区で話し合いが始まることになりそうです(すでに進行中もあり)。こどもの教育上の課題だけでなく、地域の精神的つながりや、財政上の制約等、複数の論点があるので、目が離せない。
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参考までに中学校も調べてみました。1学年の学級数が1クラスだけ(1校3学級以下)は15校、4割弱でした。さすがに、中学校になると複式学級を実施している学校は少ないですが、それでも3校が複式学級です。さまざまな背景や理由で複式学級になっていると推測しますが、児童の教育機会は可能な限り均等になってほしいと思います。
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