南相馬市で、震災直後から現地入し、地域医療の実践とともに、放射線の調査研究・教育をされている坪倉正治先生のセミナーに参加しました。これは、総合磐城共立病院の第2回「市民公開講座」として開催です。
 
日時:平成26年12月17日(水)18:30~20:10
場所:いわき市総合保健福祉センター1階 多目的ホール 
内容:「暮らしに身近な放射線の正しい知識~南相馬発被ばくの現状~」

坪倉先生は、東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム所属の医師で、白血病等の専門だそうです。震災直後に東京大学に籍を置きながら、毎週現地入りし、地域医療を助けるとともに、放射線の現状の調査・把握・発信に努めてこられた方です。後からいろいろコメントすることはできるけれど、当時情報が少ない中で、安全な東京を飛び出して南相馬市に継続的に行く決断をされたことは、シンプルに称えられるべきことだと思います。

またなにより、現地の放射線の現状を「内部被曝通信 福島・浜通りから」として、医療学会のメールマガジンに継続して投稿し、科学的見地からデータ開示と、それの放射線専門外の医師としての見方を、示し続けてきました。
 
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今回お話しいただいた内容は、「福島県南相馬発 坪倉正治先生のよくわかる放射線教室」(発行・ベテランママの会  監修・早野龍五東大教授)という小冊子に掲載された内容を、さらにかみくだいて市民に説明いただきました。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/110501447/tubokura.pdf
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当方が理解したのは以下のような内容です。
・もともと放射線は周囲に存在しています
・食べ物にもカリウム40という放射性物質が含まれています
・放射性物質は人口のものも自然のものも影響は一緒です
・被ばくには外部被ばくと内部被ばくがあります
・内部被ばくはWBC、 外部被ばくはガラスバッジで測ります
・南相馬で体内から検出する人はほとんどいません
・内部被ばくの原因のほとんどは食材由来です
・流通している食品を食べて内部被ばくが増えている人はいません
・水道水は除去できているので安全です
・南相馬市、相馬市の市街地の空間線量は西日本と変わりありません
・現在の南相馬市、相馬市のガラスバッジの検査結果がそのことを示しています
 
繰り返しておっしゃっていたのは、「市民を安心させることを目的に説明会をしているのではない」こと。実際のデータを公開し、市民が判断出来る素材を提示することで、地元に住むことを選択した方々が前向きに生活できることを応援したいとのこと。市民向けに容易な言葉で説明しているだけに、(危険だと決めつけている方にとって)言葉尻を捉えて反駁することは容易でしょう。しかし、実際に現地に半常駐し、地元の大人や子どもを診療し、FastScanやBabyScanを設置・運用し、さらにその調査データを解析・分析し、既存の医療知識をベースに仮説を立て、検証するという方による、市民への説得力は絶大だったと思います。
 
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総合磐城共立病院も、市民病院として活動していくのであれば、このような市民公開講座を通じて、単に医療行為の役割だけでなく、市民へ情報提供し、一緒に市民の健康・生活を守るというスタンスを常に持っていなければならないと思うし、それを市民は職業的専門家の行動としてリスペクトしていかなければならないと思います。