元海上保安庁長官 鈴木久泰氏の講演会が、いわき経済同友会主催で開催されました。鈴木氏は、いわき出身で私の母校、磐城高校の大先輩。貴重な官僚組織のトップの経験・知見をお話し頂きました。鈴木氏は2009年7月に海上保安庁長官に就任後、2012年9月までの在任期間は3年を超え、官僚組織のトップとしては異例な長さです。現在は退官され、日本空港ビルデング株式会社に天下りされています。

在任期間が3年にも及んだ理由は、その間の3つの大きな事件が発生したからです。すなわち1. 北朝鮮工作船の領海侵犯&自爆事件、2. 中国漁船の尖閣諸島付近の領海侵犯・衝突、中国船船長逮捕・保釈事件、3. 東日本大震災の救助活動です。

34

海上保安庁長官時代は、24時間片時も携帯を肌身離さず持ち、緊急事態の発令に備えていたそうです。海上保安庁は、海の上での警察と消防の両方の機能を兼ね備えた組織です。日本の領海もしくは排他的経済水域で海難事故や海上での事件が発生すれば、即出動します。海上保安庁所属の船は450隻、航空機も70機以上保有しているとのこと。

しかし日本の国土は、全世界で第61位の広さですが、領海と排他的経済水域を加えた面積では、447万㎢と世界第6位となり、とても現在の装備だけでは十分ではないとのこと。北朝鮮工作船の領海侵犯&自爆事件では、相手は、ロケットランチャーや2連装の14.3mm機関銃を装備していました。それに対して武力制圧するのは容易ではありません。また強調されていたのは、絶対に日本側から絶対に発砲しないことです。先方の発砲を確認し、記録した上で、「正当防衛」で反撃します。これは、尖閣の中国漁船にしても同様で、2回体当たりされたが、それが相手側の故意であることを、航跡等で映像記録した上で、公務執行妨害で逮捕に至っています。

<北朝鮮工作船の引揚げは、コチラ>
http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku//kouhou/jcgm_yokohama/panhu2.pdf
http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku//kouhou/jcgm_yokohama/panhu3.pdf
http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku//kouhou/jcgm_yokohama/panhu4.pdf

それにしても海上保安庁はあくまで、現場担当。逮捕された中国船船長は、政治的高度な判断により、中国との関係を悪化させないため保釈処置となりました。大変な努力と犠牲を払って、法を守るため、国を守るために現場で身を張った方々の思いはいかほどでしょうか。改めて政治リーダーの責任の重さに身が引き締まりました。

30

鈴木氏のような、いわき出身で、官僚トップの経験のある方の知見や人的ネットワークを活かさない手はないと思います。いわきのために知恵を貸して頂けるよう、こちらから積極的にアプローチしていきたいと強く思いました。