公会計制度改革シンポジウムに参加しました。現在の関係法令に遵守した公会計制度は、運用上、多くの課題・問題を抱えつつ、放置されてきました。この問題は10年来、議論されてきたのですが、ための議論に陥っていた部分もありスタックしていましたが、この1-2年でそれを改革しようという動きがあります。具体的には、東京都や大阪府をはじめとする先進自治体が、(総務省の指導を待たずに)独自であるべき公会計の仕組みを作り、運用を開始したことです。

今回は先進自治体の東京都・大阪府吹田市・江戸川区・町田市らの財政課や企画部の担当者から、その具体的な取組み事例を紹介していただけました。

1. 東京都江戸川区(2015年4月から実施予定)
2. 大阪府吹田市(2014年4月から実施済)
3. 東京都町田市(2013年4月から実施済)

特に町田市は導入後、2会計期間を経過しているため、作成した財務諸表をはじめとするアウトプットがモニタリングツールとして機能しはじめています。すなわち2期間比較ができるようになり、前年度より改善したかどうかが測定できるようになったということです。それにとどまらずさまざまな施策のコストが集計できるようになり(そのように設計したので)、その効果に対する検討が、抽象的でなく具体的・明示的・客観的にできるようになりました。またそれと相まって、公的施設の管理レベルも向上しているそうです。

現在の官庁会計である「款・項・目・節」を踏まえ、「一課一目」の一対一対応させることで、評価の事業単位が明らかになり、人件費の配賦等のプロセスを経て責任会計を実現することもできます。これにより本当の意味での決算審議が可能となるのではないでしょうか。また開示しただけにとどまらず、PDCAサイクルにより次年度の予算編成に活かすことも可能になってくるのではないかと思います。

<公会計に管理会計の発想が起きない要因は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/30294005.html
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先進自治体の中でも抜群の存在感を持つのは、東京都です。職員総計16万人、年間予算規模6兆円の自治体のトップが本気で取組むと何でもできるということを示してくれました。今回のセミナーは東京都の会計管理局長から直接、「複式簿記」「固定資産台帳の整備」「日々仕訳」の重要性と有用性についてお話し頂きました。また10年以上も公会計の改革にあたっている、あずか監査法人の中川 美雪公認会計士から、コメントをいただきました。

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総じて言えば、新公会計により、政策が財務データで議論できる部分が多くなり、客観性/説得力が増したということがいえそうです。経営トップ(政治家)にとっては、住民から預かっている税金(予算)を。わかりやすくディスクロージャーする義務があるわけですから、そのためにも新公会計は不可避と思います。これからは、既存のような経済成長は見込めないので、痛みを伴う行政経営になります。それを納得・説得するためにも、導入すべきであることは明白です。