スーパーマルトは、いわき市を中心に、お客様第一主義をモットー、生鮮食料品店を30店舗以上を展開している企業です。東日本大震災次の発災直後から店舗を営業し、市民に食料品を供給し続けたことで、大きな感謝を得ている会社です。

旧本社は震災で甚大な被害を受け、系列のくすりのマルトとともに勿来窪田の新社屋が建設されています。こちらにお邪魔させていただいた際、新たな取組み、ネットスーパーを見せて頂きました。これは単なる販売量を拡大を目的としたネットスーパーではありません。市内の仮設住宅に住んでいる長期避難者・ITリテラシーを持っていない買い物難民向けの生鮮食料品供給ツールでした。

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現在、二つの仮設住宅の集会所向けに、「テレビスーパーマーケット」が提供されています。

・仮設住宅の集会所に双方向のWebカメラ会議システムとFAXを、マルトが提供
・仮設住宅住民に集まってもらう
・マルトの社員が毎週午前中に訪問し、マルトの本日のチラシを配布
・欲しい注文をフェイスtoフェイスで聞き、注文書を代理記入
・随時、本部とWebカメラで商品等の説明を受ける
・集会所から本部へ注文書をFAX
・本部のスタッフが注文書を入力
・本部から商品の発注指示があり、当日午後に集会所へ商品が届けられる

この特徴は、自家用車を持っておらず、インターネットやFAX等のITリテラシーがない買い物難民でも生鮮食料品の購入ができることです。さらに対面での商品相談もできることから、仮設住宅に引きこもりがちな老夫婦を、集会所に引っ張り出し、近隣住民との会話させることも大きな成果だと思います。収益ベースにはとても乗らない事業であっても、着々と地域貢献として活動する、地元密着型企業の強みとポリシーを感じました。

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 注)上記写真はマルト様の承諾を得て撮影しております。