本書は、ヨーロッパを中心に起こっている車偏重への反省としての鉄道復権の動きを紹介し、日本の交通行政に対する提言しています。都市インフラの交通システムとしての鉄道の役割とは何かを徹底的に考えています主にヨーロッパの鉄道復権の潮流を紹介しながら、日本の状況を考察した本です。
特に興味深かったのは、LRTは、単に低床の電車ということではないんですね。それに、バス、パーク&ライド等、他の交通手段との連続性を高めた、路面電車を中心とする市内交通システムのことなんですね。ヨーロッパではLRTの総合システムにより、都市の無秩序なスプロール化を防ぎ、中心市街地の活性化をめざす「まちづくり」の視点から導入されているわけです。ドイツ・スイス・フランス等だけでなく、さらにはトルコ・モロッコ・アルジェリアもLRTを導入したそうです。日本でもLRT計画を立てながら政争の具とされて頓挫した宇都宮市と、成功事例としての富山ライトレールとして知られる富山市が紹介されています。
この本から、初めて知ることが多いです。
・ヨーロッパでは国際的な鉄道網の大規模な再整備(増強)が計画的に進められている
・ベルリンやウイーンのような大都市の中央駅の形式が変わりつつある(終着駅型から通過交通に便利な形式へ)
・鉄道経営の上下分離(鉄道施設の所有と運行の主体が分離されていること)が進み、国際的に多くの企業が競争に参入している
・LRTによって、大都市でも中小都市でも新たな街づくりが進められている
・地方の鉄道の衰退は、黒字化という課題を与えてしまっていることが背景。そもそも公共交通に採算を求めるのは日本くらい
<ドイツ 移動交通手段>
http://www.mikito.biz/archives/33176861.html
「自動車の台数が増えて道路が混雑するから、新たに自動車道路を作ろう」という考え方は、正しくないかもしれない。なぜなら、自動車中心社会である地方都市の公共交通が衰退し、結果として高齢者やティーンエイジャーの移動の自由を奪われるからです。
いわきにも小名浜に福島臨海鉄道という、常磐線泉駅と小名浜駅を結ぶ貨物専業鉄道があります。小名浜駅周辺には、平成28年春を目指してイオンモールが進出し、県の合同庁舎等の隣接して建設される予定です。この貨物専用線をどうにかして、旅客化し、イオンモールや官庁の勤務者の通勤手段として、またイオンモール客の移動師団として利用できないか。技術的・既存ルール的には容易ではないことは想像がつきますが、できない理由を見つけても意味がない。長期的な全体の利益を考え、まちづくりに必要な機能・インフラという視点で考えれば、鉄道復権はありではないでしょうか。実際、通勤者も買い物・レジャー客も全員、自家用車で移動してくることになれば、道路渋滞だけでなく、人数に対応する駐車場確保ができない。福島臨海鉄道と出資元には、福島県が含まれています(メインは、JR貨物)。ぜひ、大所高所から、まちづくりを考え、鉄道復権を果たしたい。
・ヨーロッパでは国際的な鉄道網の大規模な再整備(増強)が計画的に進められている
・ベルリンやウイーンのような大都市の中央駅の形式が変わりつつある(終着駅型から通過交通に便利な形式へ)
・鉄道経営の上下分離(鉄道施設の所有と運行の主体が分離されていること)が進み、国際的に多くの企業が競争に参入している
・LRTによって、大都市でも中小都市でも新たな街づくりが進められている
・地方の鉄道の衰退は、黒字化という課題を与えてしまっていることが背景。そもそも公共交通に採算を求めるのは日本くらい
<ドイツ 移動交通手段>
http://www.mikito.biz/archives/33176861.html
「自動車の台数が増えて道路が混雑するから、新たに自動車道路を作ろう」という考え方は、正しくないかもしれない。なぜなら、自動車中心社会である地方都市の公共交通が衰退し、結果として高齢者やティーンエイジャーの移動の自由を奪われるからです。
いわきにも小名浜に福島臨海鉄道という、常磐線泉駅と小名浜駅を結ぶ貨物専業鉄道があります。小名浜駅周辺には、平成28年春を目指してイオンモールが進出し、県の合同庁舎等の隣接して建設される予定です。この貨物専用線をどうにかして、旅客化し、イオンモールや官庁の勤務者の通勤手段として、またイオンモール客の移動師団として利用できないか。技術的・既存ルール的には容易ではないことは想像がつきますが、できない理由を見つけても意味がない。長期的な全体の利益を考え、まちづくりに必要な機能・インフラという視点で考えれば、鉄道復権はありではないでしょうか。実際、通勤者も買い物・レジャー客も全員、自家用車で移動してくることになれば、道路渋滞だけでなく、人数に対応する駐車場確保ができない。福島臨海鉄道と出資元には、福島県が含まれています(メインは、JR貨物)。ぜひ、大所高所から、まちづくりを考え、鉄道復権を果たしたい。