NHK連続テレビ小説で「花子とアン」が放映中です。赤毛のアンの著者、村岡花子のストーリーということを先日、初めて知り、その直系の孫の書いた著作を読んでみました。著者の村岡恵理氏は祖母、村岡花子の書斎を「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」として翻訳家の姉、村岡美枝と共に管理運営されている方です。著作物、蔵書、資料を保存だけでなく、書斎を愛読者や研究者に公開しているとのこと。一度、訪れたい。『赤毛のアン』の著者、モンゴメリの子孫や、赤毛のアンの舞台であるプリンス・エドワード島州政府と交流を続け、日加友好促進につとめているそうです。
ストーリーは、ほぼ、NHK連続テレビ小説で「花子とアン」と同じ。登場人物名や登場時期に若干、テレビ用にアレンジ・修正がされていますが、ほぼ同じ。貧乏な家庭に生まれながらも、東洋英和の給付生としてクリスチャン(プロテスタント・メソジスト派の学校)の女子校で英語による英才教育を受け、編集者となります。その後、印刷会社の経営者の息子と道ならぬ恋に落ちます。関東大震災では経営する会社をなくし、さらには最愛の息子を疫病で亡くします。太平洋戦争の間、大事な人からプレゼントされたの洋書「Anne of Green Gables 」を守り、戦後に翻訳して「赤毛のアン」を世に出します。最愛の息子を亡くしたかわりに、多くの子供達に明日への希望がわく物語を届けたいという想いを、情熱に満ちた生涯です。
実際にあった話として、実感できるのは、銀座にある「教文館」。プロテスタントのキリスト教を基盤とする企業で、財団法人日本キリスト教文化協会が運営に携わっています。各フロアには、キリスト教関連の書籍がところ狭しと並んでおり、非常に特徴にある本屋といえるでしょう。ここで主人公の花子が編集者として実際に働いていたそうです。連ドラで銀座が舞台になっていて、銀座のカフェで妹が給仕をやっている風景が想像できます。教文館の1フロアは、「ナルニア国」という児童書籍専用フロアになっていて、キリスト教以外の書籍も幅広く扱っています。私は、キリスト教ではありませんが、キリスト教文化の子女教育にかける熱意には頭が下がります。
もうひとつが「東洋英和女学院」。六本木にある有名女子校ですが、もともとは華族屋敷に囲まれていて、寄宿舎と校舎が一体になった立派な建物だったそうです。男子も受けいれた時期もあったそうですが、その後、第2次世界大戦で敵国の宗教や敵国語を教える東洋英和は、学校教育法の学校でなくなったため(各種学校扱い)、大学への進学が不利となり、キリスト教を捨てた分家が麻布学園(麻布中学校・麻布高等学校)になったんだそうです。先人の歴史の上に、現代人の生活はあるなあ。
この本は、花子の孫が書いたものですが、印象に残ったのは、村岡花子が「赤毛のアンの」舞台であるプリンス・エドワード島を訪ねることがないまま、その生涯を終えたそうです。晩年に米国を訪れたことはあっても、一度もカナダのプリンス・エドワード島を訪問しなかった(できなかった?)そうです。
外国に行かなくでも、素晴らしい文章が書けたのはなぜか?カナダ人教師からグローバルで自由な気質、生きた英語を獲得し、多くの華族や文化人・後の政治家たちと交わる中で、成長していったのでしょう。もってうまれた才能だけでなく、向学心に燃える時期の教育の重要性や、躾や学習環境の大切さを痛切に感じました。
ストーリーは、ほぼ、NHK連続テレビ小説で「花子とアン」と同じ。登場人物名や登場時期に若干、テレビ用にアレンジ・修正がされていますが、ほぼ同じ。貧乏な家庭に生まれながらも、東洋英和の給付生としてクリスチャン(プロテスタント・メソジスト派の学校)の女子校で英語による英才教育を受け、編集者となります。その後、印刷会社の経営者の息子と道ならぬ恋に落ちます。関東大震災では経営する会社をなくし、さらには最愛の息子を疫病で亡くします。太平洋戦争の間、大事な人からプレゼントされたの洋書「Anne of Green Gables 」を守り、戦後に翻訳して「赤毛のアン」を世に出します。最愛の息子を亡くしたかわりに、多くの子供達に明日への希望がわく物語を届けたいという想いを、情熱に満ちた生涯です。
実際にあった話として、実感できるのは、銀座にある「教文館」。プロテスタントのキリスト教を基盤とする企業で、財団法人日本キリスト教文化協会が運営に携わっています。各フロアには、キリスト教関連の書籍がところ狭しと並んでおり、非常に特徴にある本屋といえるでしょう。ここで主人公の花子が編集者として実際に働いていたそうです。連ドラで銀座が舞台になっていて、銀座のカフェで妹が給仕をやっている風景が想像できます。教文館の1フロアは、「ナルニア国」という児童書籍専用フロアになっていて、キリスト教以外の書籍も幅広く扱っています。私は、キリスト教ではありませんが、キリスト教文化の子女教育にかける熱意には頭が下がります。
もうひとつが「東洋英和女学院」。六本木にある有名女子校ですが、もともとは華族屋敷に囲まれていて、寄宿舎と校舎が一体になった立派な建物だったそうです。男子も受けいれた時期もあったそうですが、その後、第2次世界大戦で敵国の宗教や敵国語を教える東洋英和は、学校教育法の学校でなくなったため(各種学校扱い)、大学への進学が不利となり、キリスト教を捨てた分家が麻布学園(麻布中学校・麻布高等学校)になったんだそうです。先人の歴史の上に、現代人の生活はあるなあ。
この本は、花子の孫が書いたものですが、印象に残ったのは、村岡花子が「赤毛のアンの」舞台であるプリンス・エドワード島を訪ねることがないまま、その生涯を終えたそうです。晩年に米国を訪れたことはあっても、一度もカナダのプリンス・エドワード島を訪問しなかった(できなかった?)そうです。
外国に行かなくでも、素晴らしい文章が書けたのはなぜか?カナダ人教師からグローバルで自由な気質、生きた英語を獲得し、多くの華族や文化人・後の政治家たちと交わる中で、成長していったのでしょう。もってうまれた才能だけでなく、向学心に燃える時期の教育の重要性や、躾や学習環境の大切さを痛切に感じました。