いわき市新病院建設事業の公開プレゼンテーションを傍聴しました。今回、募集に応じたのは1社のみ。応札者なしという事態は避けられたものの、1社では競争原理が働くのかとか、建設コストは300億円を超えるのではないかとか、いろいろ噂を聞きます。震災前に見積もられた建設コストは220億円程度だったのに、いつの間にか300億円に膨らんでいます。市民一人あたま(幼児、高齢者も全員含めて)、10万円近くの負担金額ですから、本当にこの形で進めるのか、将来に禍根を残さない判断が求められています。

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いわき市新病院建設事業プレゼンテーションという、A4両面、2アップ白黒の資料が当日配布されました。それに従って、ゼネコンの方が説明をして下さいました。壇上に上がったのは、応募した1社のご担当者10名です。プロジェクトマネージャー(営業)を中心に、施工担当者、管理担当者、設備担当者等がそれぞれ説明して下さいました。

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今回は、いわき市新病院デザインビルド事業者選定委員会の選考課程をオープンにするという意味で、「公開」されました。上記委員はプレゼンターに対して質問できるものの、一般の傍聴者(私もその一人)は質問できる機会は与えられない旨の説明がありました。

選定委員会の委員の質問は、技術的な説明・事項が多かったように感じられました。当初から疑問を持っている点について、結局、腹に落ちる説明がなかったことが残念です。残念ですが、当初から疑問を持っている各8項目について、全く説明がなかったことに落胆しました。

<総合磐城共立病院 建替えにあたっての重大な問題点>
http://www.mikito.biz/archives/36737347.html

1. 本体工事費の高騰(市民負担の増加)
2. 工事期間中の外来用駐車場がなくなる(通院が著しく不便)
3. 工事期間中の工事騒音と工事車両による粉じん(入院患者の環境悪化)
4. 建替期間中の病院経営の赤字拡大
5. 医療機器の予算が十分でない
6. さらなる土地買収費やシステム投資予算等が、343億円に含まれていない(さらに事業費拡大)
7. 建物は新しくなっても中身は一緒
8. 建設工事を発注手続を担当する委員会が、市民に非公開
9. 詳細設計の工数が省略されている
10. 将来の用途拡張性がない

一体、いつのタイミングで、公設民営、独立法人化、民間病院の資本を入れノウハウをキャッチアップ、等等するのか、アイデアはあるので、それまでに、大手新聞社の記事を鵜呑みにせず、それぞれに自説を持っておくべきでしょう。