福島第一原発作業員が描く、原発ルポルタージュマンガです。それまで知らなかったのですが、講談社の週刊マンガ誌「モーニング」に連載されていたものが単行本化されたとのこと。描かれるのは作者がその目で見てきた、福島の現実です。メディアが報じない福島第一原発、(タイトルの、1F、いちえふ)とそこで働く作業員の日常、そしてこの先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実を、現場作業員の立場から見た労働記といえるでしょう。
これはフクシマの真実を暴く漫画ではない、という帯の文句の通り、脱原発・原発推進等のバイアスから離れ、あくまで一作業員の視点から1F作業の模様を描いています。1F内での作業員の写真撮影は許可されないでしょうし、作業中にスケッチする余裕もないでしょう。しかしよく観察され、丁寧に細かく絵で描かれた1F施設内のスケッチは、ある意味で貴重な記録となるでしょう。しかもこれだけのスケッチをアシスタントなしで描いていることに舌を巻きます。
1F内のいってらっしゃいの言葉は、「ご安全に!」だそうです。これは製鉄所などでも使われるあいさつですね。
作品を読み終わって、良くぞ見てきてくれた!良くぞ言ってくれた!良くぞ描いてくれた!という感謝の気持ちすら覚えました。いくら福島民報・福島民友・テレビユー福島等をチェックしていても、現場で働く作業員しか分からないことがあります。絵が丁寧なだけではなく、作業員の作業段取りの一つ一つが丁寧に説明されており、一般人の読者でも、その作業や装備が何のために必要なのかがわかりました。以下のようなことは、事故調査報告書でも精読すればわかるのかもしれませんが、一般人には簡単には読みきれません。このようにマンガで描いてくれたことで、口伝えの伝聞だけではイメージできなかった現場の様子が、感覚として分かりました。
・現場作業員の作業環境、毎日の装備品
・現場作業員の毎日の被ばく線量
・現場作業員の日常生活、通勤、食事
・現場作業員の福利厚生、給与、衛生
・1F内の詳細な建物配置(汚染水タンクや作業員休憩所、免震重要棟等)
・現場作業員の福利厚生、給与、衛生
・1F内の詳細な建物配置(汚染水タンクや作業員休憩所、免震重要棟等)
・飼い主不明の放れ牛、自然繁殖
・被ばくで区域外に出せなくなった高級車
高線量放射線下での大事故収束作業の異常性・特異性の一方、単調な作業の繰り返しである原発作業員の日常生活との対比が不思議です。そして原発事故収束作業の矛盾や、原子力推進事業、国の事故後の対応、東京電力と関連企業群の行動について、自分なりのフクシマを考える際の判断材料になりました。


























































































