「自治体財政研究会」 in 丸の内に参加しました。いかめしいタイトルですが、誤解をおそれずいうと、公会計をきちんとすることで、「子供にツケをまわさない!」というシンプルな理念です。

主催されている吉田寛氏は、元大手監査法人(PricewaterhouseCoopers)出身の公認会計士で、現在は大学教授の職にある方です。ずっと公会計のあるべき姿を研究し、「住民のための自治体バランスシート」、「公会計の理論」「新公会計制度のための複式簿記入門」等の著書があります。それらの活動が認められ、公会計の研究成果につき、公認会計士協会学術賞受賞を受賞しています。ざっと斜め読みさせて頂きましたが、いままでの公会計学者の神学論争とはまったく別の、「何のため、誰のために会計をするのか?」という基本スタンスがぶれないところ(これがけっこう曖昧になりがち)に共感しました。

そもそも我が日本の政治・行政は、何をもって成果を評価されているのか。答えがインフラ整備?とすれば財政規律はそもそも守られない。政治家や公務員は、何をもって能力を評価されているのか。答えが遵法性と公平性?とすれば効果的な施策はそもそも期待してはいけない。本来の会計は、「仕事を任せた人に〝会〟って、その功績を〝計〟る」というものです。それが機能していないから、機能するようにしようというところが出発点です。

現在の公会計は、総務省が進める方式で、単式簿記・現金主義会計で作った財務書類を、事後に組み替えて作成するものです。これには、取引を遡及して調べられ内という点や、迅速性に欠ける点、また何のために、誰のために組み替え作業をするのかという視点が脱落していると言われています。本来それらを解決するのが、複式簿記・発生主義会計なのですが、それはともかく、現在ある財務書類から、経営を任されている首長のB/Sと、納税者のB/Sを分離することで、首長の経営の巧拙の結果を図るという試みをされているのが、画期的でした。実際に、とある地方自治体の財務書類をケーススタディとして、講義中に私も手を動かして、首長のB/Sを3期比較で作成し、その推移を分析することで、首長の経営の巧拙を把握することが出来ました。これは画期的なことと感じる一方、不具合を感じる首長もいるだろうなあと邪推しました。

吉田教授は、「税を預けるに足る能力のある者を見出すことができなければ、子どもにツケが回ります」「税の仕組みを簡単で、わかりやすく、納税者に説明しなければなりません」と主張しています。講演内容は、テクニカルな内容に終始せず、『自由』や『民主主義』、『税』の本質から、経済学者のケインズ・フリードマン、哲学者ハイエクに及びます。気づきの材料をたくさんいただいたので、自分なりに咀嚼し昇華したいです。

福嶋浩彦氏は、消費者庁長官、千葉県我孫子市長(3期)、我孫子市議会議員(3期)を務めた、物腰が柔らかい、教養ある方です。我孫子市長在任中は、「市民自治」を提唱し、「市民の自立した活動と市民がコントロールする行政による市民自治」を目標に掲げていました。
 
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当時の市政の運営に際しては議会に対する根回しを(従前のしきたりに従わず)最重要視しなかったため、我孫子市議会にて条例案の否決や修正が頻発したそうです。実際にお話を伺う限り、当時の市議会のしきたり重視が目に付き、「議会軽視」というより、議員の勉強不足やメンツ重視が原因との印象を受けました。

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