日本最大のダイレクト・マーケティングを実践する経営者組織「顧客獲得実践会」を主宰し、総合ビジネス誌で「日本一のマーケター」と評される著者が、栃木県宇都宮市白楊高等学校の全校生徒900名の前で語った講演をまとめたものです。まず、未来を担う高校生たちに、7つの未来予報をしています。

第1の未来予報 「お金」がなくなる
第2の未来予報 「会社」がなくなる
第3の未来予報 「病気」がなくなる
第4の未来予報 「国境」がなくなる
第5の未来予報 「学校」がなくなる
第6の未来予報 「貧困」がなくなる
第7の未来予報 「生活」がなくなる

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頭の中で想像しているよりも、現実はもっと早く動いています。すわなち、今の子供達や若者たちが通る道と、我々中高年が通って来た道は全く違います。我々の過去(もしくは現在)の経験に基づいたアドバイスは、別の道を通っている若者達にはあまり意味がない可能性が高い。もし江戸時代に幕藩体制のもとで出世しようと思った子供は、一生懸命剣術を学んだかもしれない。しかしその数年後に、帯刀を禁じられることになりました。大日本帝国のもとで出世しようと思った子供は、陸軍大将になりたいと思ったかもしれない。しかしその数年後には、東京裁判で戦犯扱いになってしまいました。このような例は歴史を振り返れば枚挙にいとまがありません。だから、我々大人が若者に対して心がけるべきことは、彼らの選択の邪魔をしないことです。

では、若者はどのようなキャリアプランを自分で考えるか?公明党のポスターではありませんが、生きていく上で「安定」は必要です。しかし安定は、いまいるところに座り続け、変化しないことによって得られるものではありません。世の中が、この瞬間にも変化し続けているのですから、自分たちも、この瞬間に変化し続けることでようやく安定が得られるわけです。それはサーフィンと同じで、波が押し寄せるなら、波と一緒に変化していくことで、楽しくなれる。例えばマレーシアでは、将来に必要なのは記憶できる人間ではなく、またより正しく理解し、言われたとおりにやる人間でもないそうです。すなわち自分で考える力をもって、そして創造できる人間を育てていくということを始めているそうです。

仕事の内容や働き方は、現在と30年後ではおそらく大きく変っています。今ある仕事の多くが、なくなっているかもしれない。そこで残っている仕事は、変化を乗り越えて、そして未来においても価値がある仕事でしょう。自分がどんな未来を描くか、その描いた未来こそが実現できる、ということを著者はいっています。