国立社会保障・人口問題研究所が、「日本の地域別将来推計人口」を公表しています。この推計は、将来の人口を都道府県別・市区町村別に求めることを目的としたもので、平成22(2010)年の国勢調査を基に、平成52(2040)年までの30年間(5年ごと)について、将来人口を推計しています。
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/t-page.asp

結論は、以下の4点です。
1. 2040 年の総人口は、すべての都道府県で 2010 年を下回る 
2. 65 歳以上人口・75 歳以上人口は、大都市圏と沖縄県で大幅に増加 
3. 2040 年の総人口は、約7割の自治体で 2010 年に比べ、2割以上減少 
4. 2040 年には、65 歳以上人口が 40%以上を占める自治体が半数近くに なる

そこで興味深かったのは、「生存率」です。すなわち、ヒトが5年後に何パーセントの確率で生きているか?をデータで示していることです。数式で表せば、生残率〔S(t→t+5, s, x~x+4→x+5~x+9)〕:t年の男女 s、年齢 x~x+4歳の人口が、5年後の t+5年に x+5~x+9歳として生き残っている率。 

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出典:日本の地域別将来推計人口から、各世代が生き延びる確率を計算・グラフ作成。単位:%

例えば、福島県の40才男性が、5年後にそれぞれ生き残っている確率は、以下の通りです。
5年後  98.9%
10年後 98.5%
15年後 97.7%
20年後 96.6%
25年後 95.0%
30年後 93.0%
これらをすべて乗じると、40才男性が70才になれる確率は、81.2%と求められます。

では後期高齢者(75才)ではどうか?
 5年後  76.1%
10年後 63.3%
15年後 41.0%
これらをそれぞれ乗じると、75才男性が85才になれる確率は49.7%、90才になれる確率は、20.3%と求められます。日本人の平均寿命だけではみえて来ない、それぞれの地域のそれぞれの世代の余命が、数値で把握できるので、ライフプラン・将来設計の目安として役立つのではないでしょうか。