総論にはじまり、歴史上の偉人24名の生き方と言葉に触れた本格的な本です。平成23年度より、福岡市東区の博多高等学校で採用され、教科書として導入されているそうです。

明治の教科書にあって、現在の教科書にないもの、それは偉人の生き様紹介です。今でも、歴史もしくは総合学習の時間に年間で1-2時間ほど、郷土の偉人紹介がなされていますが、それは「生き様」の紹介とはいえません。「過去をより遠くまで振り返ることが出来れば、未来をより遠くまで見渡せるだろう。」とは、チャーチル(イギリス元首相)の名言ですが、過去すなわち歴史を正しく知り、咀嚼し自分のものとし、それを生かせなければ将来を考えることはできません。その意味で、明治の教科書は、偉人の紹介をきっかけにその生き様の可否を子供に考えさせ、そうなりたいか(そうなりたくないか)を考えるきっかけになったのだと思います。そんな思想が、この寺子屋モデルからダイレクトに感じることができます。

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