共立病院の医師118名(2014.3.13現在、研修医含む)のうち、86%が官舎(敷地内外)・民間借上住宅に居住しています。うち4割は病院の敷地内アパートに居住しており、病院支給のPHSを肌身離さず持つことによって、緊急時に備えています。勤務医がどのような待遇、勤務環境、居住環境で迎えられているかを、共立病院管財課のご案内で、見せていただきました。
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共立病院夜間診療(一次二次救急)の外科・内科診察室の奥には、スタッフルーム兼休憩室があります。当直時の夜間はこちらのソファベッドで休憩を取ることもあるそうで、生々しい生活感を感じる部屋です。自家用車で直接おこしになるこちらの一次二次救急診療だけで年間1.5-2.0万件の診療件数(日中夜間問わず)があるとのこと。通常の外来診療とは別に、一日40件もの救急外来診療(重篤患者の三次救急は別)があるわけで、内科2名、外科2名、小児科2名が常時待機し診療にあたっていますが、ドクターはおちおち寝られるはずもありません。当直明けのドクターにも、(完全交代制のナースと異なり)通常の日勤が待っているわけなので、かなり肉体的・精神的にきついことが想像に難くありません。

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救命救急センターの裏手には、応援当直のドクターのための仮眠室がありました。3畳あまりの小さな部屋には、シングルベッドと簡易デスクのみ。本当に「寝るだけ」の部屋で、何のアメニティもありません。ここは野戦病院か?と思わせる、緊急避難的な場所と感じました。

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病院敷地内には、研修医(初期研修医は、通常2年間程度で他病院へ移動)のための、1DKの単身アパートがあります。現在満室だそうです。

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敷地内には、2DKタイプの家族向けアパートもあります。こちらは応援当直(当直ドクターが不足しているため、当直フィーをお支払いすることで他病院のドクターに当直をお願いすること)の休憩室としても使用され、ほぼ満室です。

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2DKといっても、広さ60㎡程度です。官舎の基準に応じて、1-2万円程度(面積による)の家賃負担で入居可能です。非常に簡素で、リッチ感はまるでありませんが、キレイに清掃されています。

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風呂・トイレは、ユニットバスの3点セット。今時のスタンダードなマンション設備の基準からすると、かなり見劣りします。

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病院敷地外には、家族用の一戸建ての官舎もあります。6DK、駐車場付きですので、大家族にも対応可能です。

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築数十年経過しているため、機能的な陳腐化は否めませんが、よく清掃されています。昭和の香りがするキッチンです。

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よく修繕されているものの、デザイン的な陳腐化は否めないところです。年収2,000万円近い医師(公表されている「人事行政の運営等の状況の公表について」によると、月額140万円程度)が起居する場所としてふさわしいのだろうか?という気もします。一方、共立病院勤務医の平均勤続年数は7年程度。医局の指示で、異なる病院へ、定期的に移動されるドクターも多いとのこと。年収にかかわりなく自宅を建てる時期でなければ、あてがわれる官舎に、不平をいわず入居し、きちんと開業資金・マイホーム資金をプールしていた方が、合理的な判断なのかもしれません。

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雑駁なイメージは、斜陽産業の企業が保有する、転勤族の社宅に近いという印象です。建築年次が古く、設備の機能的陳腐があり、アメニティに対する意識が高くない一方、定期修繕や管理体制はきちんとなされています。毎年、数十人のドクターの入社・退職に伴い、住居の割り当て等、事務方の仕事は増える一方、法令やルールを遵守し、公正公平に執行するとこうなるという見本のようです。

起居するドクターは、現在の官舎に対して満足感を得られているのかな?厳しい勤務条件に対する、われわれの感謝は各医師に伝わっているのかな?そのような視点を常にも持っていることが、医師を含む医療スタッフのモチベーションを維持することができる原点なのではないかと思っています。