現在、医療・介護サービスの人材が供給不足となっているいわき市ですが、その供給源であるいわき准看護学校で、事務長の山野邊様にお話しを伺ってきました。いわき准看護学校は、内郷のいわき市医師会の隣りにあり、同医師会が所有・運営しています。定員は1学年100名、法律上は「各種学校」です。

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いわき市内の看護士・准看護師養成学校は3校あり、磐城共立高等看護学院(正看40名)・松村看護専門学校(正看25名)・いわき准看護学校(准看100名)を、毎年輩出しています。正看と准看の違いは、前回書きましたが、雑駁にいえば単独で医療補助行為ができるか(ひとりで当直業務ができるか)どうかの違いです(もちろん、求められる知識や業務水準、役割等、違いはたくさんありますが)。

<磐城共立高等看護学院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/36469006.html
 
実際に、過去5年間の卒業生370名の就職先は、いわき市内が58%(186名)を占めており、当校が市内の医療スタッフ供給に大きく寄与していることは間違いありません。

一番の進路は、病院(病床数19床以上)です。診療所もあわせると、医療施設だけで過半を占めます。ただ特別養護老人ホーム・介護老人保健施設等の、いわゆる福祉施設に就職される方も一定程度おり、医療と介護のボーダーが低くなっていることを感じさせます。学校に置かれている求人票を閲覧させて頂きましたが、概ね、病院であっても介護施設であって、初任給は15万円程度+諸手当(当直等)となっているようです。

一方、さらに「進学」する卒業生も3割以上、います。当校卒業で、准看護師の資格(都道府県主催の試験に合格が前提)が得られますが、さらに看護師(いわゆる、正看)資格を得るべく、他市に進学する場合です。正看護師は、准看護師に比べて受講期間が1年長いということから、給与面が良いという背景があります。さらに、大病院においては手術等のニーズから、准看護師の採用が見送られ、正看護師のみの募集ということもあります。見方によっては、結局進学して、2年(准看学校)+2年(進学学校)かけて正看護師を目指すなら、最初から3年の正看学校を目指せばいいという意見もありますし、ある意味正論だと思います。一方、様々な家庭の事情や当初の学力等の課題から、フルタイム3年間の正看学校に行けない方もいるのも事実です。それでも看護の道を目指したい方のルートとして、当校の意味づけがあるのかもしれません。
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校内には、ナイチンゲールの誓詞が掲げられておりました。医療の重要性を感じる一方、その重圧に耐えられずに進路を見直す学生も一定程度、いらっしゃるそうです。

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座学は教室で行われます。授業は週4日間登校し、28時間/週の2年間で、法定の1,890時間を履修します。そのうち、「臨地実習」として735時間を、市内の実習指定病院10ヶ所、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、保育所などで実習を行います。

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現地を見せて頂き、需要がある看護師の供給が、学校規模や講師のキャパシティの限界から、定員枠の増員は容易でないことがわかりました。既存校の増員が難しいとなると、新設校の選択肢が視野に入ってきます。あるべき看護・介護の水準の需要量を見据えた上で、中長期的な戦略を見通す必要があります。