第72代内閣総理大臣の安倍氏とベストセラー作家の百田氏の対談が収録されています。経済政策、憲法改正、外交安全保障、靖国問題、など現代日本に課された様々な問題をテーマに議論しています。二人に共通する政治観が理解できました。

安倍総理は、百田氏が「海賊とよばれた男」で本屋大賞を受賞する前から百田本を繰り返し読むほど愛読しているそうです。百田氏も「永遠の0」に込めた想い、そして「海賊とよばれた男」を書いた理由を語っています。いま、私たち日本人に本当に必要なことは日本人としての誇りを持つことだ、が百田氏の一貫した主張です。
 
<海賊とよばれた男は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/27665170.html 

_SS500_
<永遠のゼロは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/30321342.html

ベストセラー作家・百田尚樹と安倍総理大臣の対談ですが、百田さんは安倍さんが総理に返り咲く前から応援されていた生粋の熱烈な安倍支持者です。その意味で、対談中は、百田氏は快刀乱麻を断つ勢いのある言葉で熱く語っていますし、安倍氏のそれに答え、非常に率直に語っています。その結果、安倍首相が熟慮を重ねた、明確な政治姿勢が浮き彫りになっています。

安倍首相が掲げた「戦後レジームからの脱却」を百田氏は「戦後の自虐史観からの脱却」と解釈されていますが、なるほどなあと思いました。百田氏が詳細に記した様々な事実を多くの日本人は知識として共有していないと思います。例えば、靖国神社が戦後、ドッグレース場とならず存続が決まったのは、駐日バチカン公使代理ブルーノ・ビッター神父の「いかなる国も、その国家のために死んだ人々に対して敬意を払う権利と義務がある。それは、戦勝国か敗戦国かを問わず平等の権利でなければならない。もし、靖国神社を焼き払ったとすればその行為はアメリカ軍の歴史にとって不名誉極まる汚点となって残るであろう。歴史は、そのような行為を理解しないに違いない。靖国神社を焼き払う事は連合国の占領政策と相容れない犯罪行為である」との意見に連合国総司令部が肯いたからだそうです。私は、初めて知りました。

また総理就任以来、日々どのようなことを考えて行動されているのか、その貴重な本音が伺え、日本国に対する熱い思いがひしひしと伝わってきます。それにしても、百田尚樹は、日本人として、またテレビのシナリオライターとして、某新聞社に対し、激しい怒りと憂国の情を強烈に持っている方だと改めてわかりました。

巻末には、安倍首相の種々のスピーチが収録されています。いいたいことがしっかり章立てされ、論理的な文章(実際には口頭ですが)で、かつリーダーとしての品格が感じられ、政治家としての厚みを感じました。