田人第二小学校は、いわき市南部の国道289号線沿いにある、市立小学校です。田人地区にはかつて炭鉱があり、田人二小も最大180名の児童が所属していた時期がありましたが、現在の全校児童は1年生1名、2年生1名、4年生1名、5年生2名の全部で5名です。児童数減少に伴い、残念ながら今年度末で田人一小に集約され、閉校予定です。閉校の主たる理由は、児童には一定の集団生活を経験させるべきであるからと聞いています。このような極端な少人数の児童に対してどのような教育が行われているか把握するために、閉校前に校長先生にお話しを伺ってきました。

なお田人地区は、田人第二小学校の他、四時川分校・南大平分校・石住小学校・貝泊小学校の5つが同時に閉校となります。これらの廃校後の建物の利用方法はまだ決まっていませんので、地域の方と相談しながら、(廃墟になる前に)単に除却するのか、他の何かに転用できるのか等、活用の方法に知恵を出していく必要があります。

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校舎は木造平屋建、築19年だそうで、地元の杉材がふんだんに使われています。クラシカルな建物様式は、映画に出てきそうです。丁寧に使われているせいか非常にキレイでした。学校の隣りを流れる小川にはヤマメが泳ぎ、裏の土手にはカタクリの花が咲き誇るとても自然豊かな場所にあります。毎年5月に開かれる運動会には、保護者の他、地域の方が一緒に参加する競技がたくさんあり、200名近くが参加され、地域交流の大イベントだそうです。全校児童生徒5人で構成される鼓笛隊は、毎年お客さんから大きな拍手が。11月には「わくわく森の秋祭り」が行われ、全校児童と先生方が、合唱・合奏・ダンス・劇などを発表します。みんなで豚汁を作り、150人以上の来場者にふるまわれます。

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これで全校生徒、全員。5人の児童(うち2人は兄弟)に対し、先生も5人(校長先生を含む)。究極の少人数教育が(図らずも)達成されていました。

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極端に人数が少ないケースは、1.2年生、3.4年生、5.6年生でそれぞれ一クラスとするのが一般的だそうですが、田人二小の場合、そうしてしまうと4年生の生徒がひとりぼっちになってしまうので、さらに変則的な組み合わせでクラス編成するそうです。いずれにせよ、異なる学年の生徒が、異なる学習進度で、先生1に対し生徒2人(もしくは3人)という教え方で、生徒個人の授業をします。校長先生のお話では、先生がひとりひとりの学習理解度を完全に把握しながら授業ができるので、他の小学校に比べて生徒の学習理解度は極めて高く、少人数教育の利点はかなりあるようです。

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少人数教育の利点のひとつは、1人当たりの学校施設がふんだんにあることでしょう。ドラムや太鼓等を含む楽器は、取り合いになることなく、自由に練習できます。

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広い!体育館には全校児童5人と、体育の先生1名 計6名で体育の授業が行われていました。私は市立平第三小学校出身で、当時は1学年40名×6クラス×6学年=1,500名近い、マンモス校でした。体育というと、たくさんのクラスメイトとドッジボール等をした経験とは、全く異なる世界がここにありました。

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近くには学校林があり、季節毎に歩きながら動植物の変化を観察したり、地域の方々と一緒に作った遊具で遊んだりすることができるパワースポットになっています。ツリーハウス等を作ったりして、これは、とても面白そう!まちなかの子供には絶対出来ない経験で、正直これは羨ましい。

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学校横にはキレイな小川が流れており、ときおりヤマメが見られるとのこと。この水は、学校のプール(25m×5コース)に引き込んで、そのまま使えるほど澄んでいるそうです。学校の回りは杉林に囲まれ、人工物は限りなく少ない。時計の針の進みが、街なかの1/3ぐらいに感じた訪問でした。

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注)写真は、校長先生の許可を取っています。