平成26年度から、いわき市の下水道料金の単価が改訂になり、約6.6%の値上げになります。市内に下水道ができてからの料金推移を調べてみました。一般家庭の標準水量である20㎥ベースでは、設定当初320円だったものが、直近では2,998円と、約10倍近い値上げで、何でそんなに急激に上がるのか、その理由は後述します。

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一般的に、雨水と汚水に分けて負担が決められます。すなわち雨水は誰のせいでもなく発生するので、 その処理費用(施設建設を含む)負担は、公、すなわちいわき市の財政から負担になります。一方、汚水、すなわち生活雑排水は、市民それぞれの日常生活により発生させるものなので、その処理費用(施設建設を含む)は、市民、発生者負担となるのが、原則です。

一方、下水道の建設には多額の建設費がかかるのも事実です。いわき市が下水道事業を始めた昭和45年に、建設費相当額を、使用料金に上乗せすると、べらぼうな使用量になってしまうため、当時から政策的に、下水道事業会計に、一般会計から繰入れ(いわゆる赤字補填ですね)をおこなってきました。上記のとおり、その赤字補填の金額を縮小させるべく、値上げを繰り返しているわけです。現在でも一般会計からの負担は続いており、当面、値上げの傾向は続きそうです。確かに下水道料金の値上げは、リビングコスト(最低限の生活維持コスト)の上昇、及び企業の競争力の低下に直結するので、避けたいところです。サービスの質を維持し、処理コストを下げるためには、処理区域の無秩序な拡大は厳に慎むべきでしょう。

もっとも県内他市との比較においては、いわき市は大きく料金が相違しているわけではなことがわかります(縦軸:水道料金、単位円、横軸:1ヶ月使用量、単位立方メートル)。
 
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