南相馬市は、いわき市から直線距離で70km程度、国道6号線で久之浜からなら30分程度で市役所に到着できるはず(でした)。現在は、国道6号線が封鎖(通行許可証があれば、通行可能)されているので、49号線-船引三春IC-川俣町-飯舘村-南相馬市という、大回りを強いられたため、片道約3時間、往復6時間の自家用車日帰り強行軍でした(なおこの視察は直前の手配であり、諸手続が煩雑のため、すべて自費)。同僚議員と3名で、いわきへ帰ってきたのは、深夜になってからでした。

まず市役所議会事務局様にお時間をいただき、議会報告会開催に至る背景と経緯、踏んできた手続やイベント等をご説明いただき、当方からの質疑応答とさせて頂きました。当初予定は1時間でしたが、非常に有意義で話しが弾み、重要な論点から、四方山的な小話まで話題が広がり、時間を超過してお話を聞くことができました。
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特に、話題に上ったのは南相馬市が置かれた、極めてユニークな立場です。南相馬市は、いわゆる平成の大合併により、2006年に原町市、小高町、鹿島町の3市町が合併してできた市です。旧市町の区域ごとに地域自治区となっており、各々「原町区」「小高区」「鹿島区」と呼ばれています。

原発事故の影響により、これまで1Fからの距離や空間放射線量によって、さまざまな線引きがなされてきましたが、原発からほぼ10km~40kmの範囲に入る南相馬市は、影響甚大な地域から、ほぼ影響ない地域までが含まれることになり(これまで原発事故関連の地域区分は、過去現在含めて11種類あったそうですが、11種類すべてが同じ市内に含まれるのは、南相馬市だけだそうです)、地域住民間での原発事故に対する温度差、さらには補償の格差を原因とする軋轢は、2年5ヶ月経過しようとしている今でも、一番の問題だそうです。

(詳細は異なりますが)概ね以下の区分となっており、同一市内で全く、居住制限や東電賠償金の取り扱いが異なるため、市長の桜井勝延氏も、なかなかすべての市民を満足させる舵取りは難しいようです。
小高区:1Fから20km圏内。避難指示解除準備区域。立入制限あり
原町区:1Fから30km圏内。旧緊急時避難準備区域
鹿島区:1Fから40km圏内。特段の規制なし。
山あいの地域:帰還困難地域と居住制限区域。立入制限あり

<戦う市長については、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/28432990.html
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市議会議会棟も見せて頂きました。市役所内に設置されており、十分なスペースがあります。3市町合併時には50名以上の議員を収容していましたが、現在は23名が所属しています。
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