いわき市共同職業訓練センターが、落成しました。それまで平谷川瀬にあったセンターは震災の影響で使用できなくなっていたため、元好間支所があった場所に移転、建替えされたものです。昭和39年から輩出した生徒は、延600人(平均12名/年)だそうです。
こちらの施設は、職業能力開発促進法に規定する、認定職業訓練を行うために組織された団体が職業訓練を行うために設置された施設です。すなわち無職の方が手に職をつけるための職業訓練校やポリテクセンターと異なり、建設関係の従業員がそのスキルアップを目指すために通う施設なのです。建物は市が建設します(建設費を負担、その建物を指定管理者へ管理委託)が、運営は県が行い(協会の年間運営費を負担)、職業訓練協会がそれを受託して訓練活動を行っています。職業訓練協会の会員は、市内の建築業者・左官業者・タイル業者の組合員ですから、要は三業種の職業人の資質向上のために、市・県が補助する形です。
なお、鉄骨造平屋建の建物の延床面積は448㎡、建築費は115百万円です。坪あたりの建築単価は、855千円/坪になりますから、ふんだんに予算が投入されたことが推察されます。
本日は落成式ということで、鳶(とび)職の方々が木遣り(きやり)を、披露して頂きました。5分間程度の披露でしたが、纏(まとい)を回す姿は、かっこよかったです。
いわき選出の国会議員、吉野正芳先生も見学にいらっしゃいました。吉野先生は材木会社のご出身なので、材木を見る目や、道具についてはとても造詣が深いです。写真の木組みについて、学生にいろいろ質問をされておられました。
男性ばかりの生徒の中に、紅一点、女性の大工さん見習いの方を見つけました。大工を目指して2年目、普段は市内四倉の建築事業所で勤務し、夜間と週末にここで技術習得に自ら進んで磨きをかけているそうです。汗だくでカンナ掛けをされる姿は、輝いていました!
訓練内容は、在来木造軸組工法を基本に、以下の3つの科があり合計19名が施設に在籍しています。
・木造建築科 年限3年 8名
・建築設計科 年限2年 5名
・左官タイル科 年限3年 6名
平日夜間と日曜日に通学し、指導を受けます少人数ですから、基本から専門技術まで、生徒の個性に応じた訓練が可能です。終了時には、技能士補の資格が取得できます。
三業種の方々とお話し、構造としての2×4やプレハブ構造が優勢になり、加工方法としての木材の海外材のプレカットが主流となった今、従来型の在来木造軸組工法及び国内材を使っての風合いを活かした家造りが劣勢になっていることを懸念されておられました。市場だけでなく、職人も難度の高い技術が不要になり、単純な組み立て作業員に三業種の職人がなりつつあるということでもあります。それに従って付加価値が薄くなり、利幅も薄くなっていくわけです。消費者が求める商品にアジャストしていくマーケットインの思考とともに、技術が確かな付加価値を生むことを、消費者に「見せていく」「実感させる」ことが大事なのではないかと感じます。
全体概要は理解できたのですが、訓練制度では在来木造軸組工法を教えているにもかかわらず、その建物・教室が鉄骨造という、なんともチグハグな感は否めませんでした・・・これも国・県・市の予算制度の硬直化と、職業訓練制度の本来の趣旨がマッチしない典型例です。
いわき民報(2013.7.20)に記事掲載されました。
こちらの施設は、職業能力開発促進法に規定する、認定職業訓練を行うために組織された団体が職業訓練を行うために設置された施設です。すなわち無職の方が手に職をつけるための職業訓練校やポリテクセンターと異なり、建設関係の従業員がそのスキルアップを目指すために通う施設なのです。建物は市が建設します(建設費を負担、その建物を指定管理者へ管理委託)が、運営は県が行い(協会の年間運営費を負担)、職業訓練協会がそれを受託して訓練活動を行っています。職業訓練協会の会員は、市内の建築業者・左官業者・タイル業者の組合員ですから、要は三業種の職業人の資質向上のために、市・県が補助する形です。
なお、鉄骨造平屋建の建物の延床面積は448㎡、建築費は115百万円です。坪あたりの建築単価は、855千円/坪になりますから、ふんだんに予算が投入されたことが推察されます。
本日は落成式ということで、鳶(とび)職の方々が木遣り(きやり)を、披露して頂きました。5分間程度の披露でしたが、纏(まとい)を回す姿は、かっこよかったです。
いわき選出の国会議員、吉野正芳先生も見学にいらっしゃいました。吉野先生は材木会社のご出身なので、材木を見る目や、道具についてはとても造詣が深いです。写真の木組みについて、学生にいろいろ質問をされておられました。
男性ばかりの生徒の中に、紅一点、女性の大工さん見習いの方を見つけました。大工を目指して2年目、普段は市内四倉の建築事業所で勤務し、夜間と週末にここで技術習得に自ら進んで磨きをかけているそうです。汗だくでカンナ掛けをされる姿は、輝いていました!
訓練内容は、在来木造軸組工法を基本に、以下の3つの科があり合計19名が施設に在籍しています。
・木造建築科 年限3年 8名
・建築設計科 年限2年 5名
・左官タイル科 年限3年 6名
平日夜間と日曜日に通学し、指導を受けます少人数ですから、基本から専門技術まで、生徒の個性に応じた訓練が可能です。終了時には、技能士補の資格が取得できます。
三業種の方々とお話し、構造としての2×4やプレハブ構造が優勢になり、加工方法としての木材の海外材のプレカットが主流となった今、従来型の在来木造軸組工法及び国内材を使っての風合いを活かした家造りが劣勢になっていることを懸念されておられました。市場だけでなく、職人も難度の高い技術が不要になり、単純な組み立て作業員に三業種の職人がなりつつあるということでもあります。それに従って付加価値が薄くなり、利幅も薄くなっていくわけです。消費者が求める商品にアジャストしていくマーケットインの思考とともに、技術が確かな付加価値を生むことを、消費者に「見せていく」「実感させる」ことが大事なのではないかと感じます。
全体概要は理解できたのですが、訓練制度では在来木造軸組工法を教えているにもかかわらず、その建物・教室が鉄骨造という、なんともチグハグな感は否めませんでした・・・これも国・県・市の予算制度の硬直化と、職業訓練制度の本来の趣旨がマッチしない典型例です。
いわき民報(2013.7.20)に記事掲載されました。