しばらくぶりに、名刺のデザインを更新しました。タイトルを「ワクワクできる地元へ」-街づくりは人づくり-、としました。これは復興活動の先にあるものが不透明であるとの見方が多い中、その道筋を「ワクワクする街づくり」に求めようとするものです。

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復興活動の先には何があるのでしょうか。人々の考えるムードが経済・景気を左右します。現在、いわき市内の金融機関に預金残高が積み上がっています。それ自体は、個人の資産形成にとって好ましいことですが、いわき経済全体にとっては、必ずしもプラスになりません。すなわち資金が退蔵され、新たな産業活動に投入されないため、拡大再生産されず、縮小均衡に陥るおそれがあるためです。このようになっている要因には、人々、企業が考えるいわき経済に対する先行き不安、すなわち復興需要が一段落したときに不況がやってくるであろう、そのときに備えて資金を貯め込もうとする、至極合理的な判断があるためです。

新たな取組みをせず、いわゆる復旧・復興事業だけを行い、過去の延長を行うのであれば、そのような見方はおそらく正しいでしょう。確かに少子化は進行していますし、若年層流出が一部で発生しているのも事実でしょう。しかし、私は思うのです。今、いわきの目の前にあるピンチをチャンスに変えることができれば、かつてないもの凄い復興が可能になるのではないかと。

それを端的に表すのが、洋上風力発電や新型火力発電等の新技術開発と産業化であり、廃炉をタネとする世界にどこにもない高線量下ので廃炉技術の研究開発・確立とそのいわきの定着です。仮に新型火力発電で石炭を有効に利用できれば、小名浜港の石炭バルク港戦略や、その先の常磐炭田の再活用も視野に入ってきます。またそれだけでなく、風評被害対策のひとつである、水耕栽培での野菜工場技術等もあり、既存タイプの工場誘致にとらわれず、頭を柔らかくすれば、ビジネスチャンス、ひいては雇用のチャンスはあるのです。

これらを場当たり的でなく、戦略的にターゲットを絞って、適切な会社、キーパーソンに仕掛けることにより、これから社会に出るいわきの若者にとって「ワクワクできる地元」を作り上げることができると確信しています。