国際交流・観光(いわき市統計書平成24年版)によれば、毎年、いわき平の本町通りで開催される「平七夕まつり」の参加者(統計的には、入込(いりこみ)客数といいます)は、昨年36万人とのこと。平成22年度をピークに減少傾向です。

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一方、この発表に対して、いわき市の人口32万人よりも多くの入込が本町通りに流れてこんでいるとは思えないという、至極まっとうな疑問が呈されています。もちろん発表の36万人は、3日間の日中に一度でも来た方の積み上げ合計のため、一度に36万人が瞬間風速的にその場にいたわけではありません。またどの範囲、エリアまでをカウントしているか明確でないため、なんとも判断のしようがありません。それにしても、自ら検証したいという、複数の声をいただきましたので、まつりの主催者関係者とのヒアリングを重ねて、推計してみることにしました。

会場である本町通りに瞬間的にどの程度の入込み客が出ているかを推計し、客の回転数等を乗じて、総計を求める方法をとります。会場である本町通りの長さを東西600m、実質幅員を10mとします。次に人の密度として、非常に混雑しているのが5人/㎡といわれていますので、七夕の人出は夕方がピークになるのですが日中の平均をとり、3人/㎡と仮定します。さらに1日で入込み客は、3回転程度すると仮定します。以上の係数に3日間の会期で計算すると、3日間の入込み客数の合計は13.5万人と求められました。

一般的に大本営発表の数値というものは、関係者の意図等を組んだものとなりがちで、また前回発表数値にとらわれてしまうという面があります。しかしながら、施策の効果やこれからの計画を考えていく上で、事実を正しく捉えておくということは重要だと思います。機会あれば、七夕まつりがいわき経済にどのような影響を及ぼしているか検証したいと思っています。

注)試算値の13.5万人は公表数値の36万人との間には大きな乖離がありますが、原因は以下の複数のファクターが考えられ、いちがいに公表数値の正誤を質すものではありません。
・今回試算は会場である本町通りに限定しているのに対し、公表数値は平全体の人出を集計していると思われる
・今回試算は野鳥の会方式(人出の人口密度)で試算しているため、ある程度の誤差がある
・今回試算は主催者関係者とのヒアリング等による仮定を置いた計算であり、これだけは最低でも人出があるはずという、ある意味、固めの数値となっている

<平七夕まつりの開催意義は、コチラ>
 http://www.mikito.biz/archives/28089450.html