知人の紹介で、磐城高校のALTさんを訪問しました。ALT制度に関して日本政府は増員計画を持っていますが、賛否両論あります。いずれにせよ、トヨタ自動車の「三現主義」※1 を引き合いに出すまでもなく、現場の事実を知らなければうまく回るはずもありません。

※1 “現場”“現物”“現実”の3つの“現”を重視し、机上ではなく、実際に現場で現物を観察して、現実を認識した上で、問題の解決を図らなければならないという考え方のことです。

<ALT制度に関してはこちら>
http://www.mikito.biz/archives/25671082.html 
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 磐城高校の英語教諭室で、ALTのMs. Kimberly Morris(通称、キムさん)にお話を伺いました。ランチタイムにお邪魔したにも関わらず快く受入れて下さり、小一時間ほどお話を伺いました。現在、市内の公立高校には原則として1名のALTが配置されています(小学校は2名程度)。

キムさんはジャマイカ出身の、うら若き独身女性。ジャマイカはNY乗り換えで、日本からは16時間あまりかかる大西洋の小島です。いわゆる第三世界の国なので、日本と生活・文化等がまったく違うことに未だ戸惑いがあるそうです。JETプログラムで日本へALTとして派遣されてきましたが、それまで来日経験はなく、宮城と福島の違いを知らなかったそうです。それでも日本へ来たのはJETプログラムが魅力的であったこと、特に待遇面や複数年契約が可能であったことが決め手になったとのことです。

現在の業務は、週40時間勤務、うち16-19時間をALT授業に充てているとのこと。磐城高校が週3日、残りの2日は、他の高校へ出張授業です。 現在は、市内にアパートを借りてひとり暮らしし、放課後は買い物をし、自炊する生活です。学校までは徒歩30分を毎日通っています。

いわきでの生活は、日常に的英語が通じない、肌の色が黒く目立つ等、暮らしにくいと感じているそうです。必然的に、同じ境遇のALT同士で行動することが多くなります。本来、ALTの趣旨は、他文化をバックグラウンドに持つALTが学校にいることにより異文化交流をする、そしてALTに日本文化を理解してもらい、帰国後には日本のアンバサダーとして活躍してもらうという目的があったはずです。キムさんのお話では(理想や当初の目的はともかく)現実は、どうもうまくいっていないようです。うまくいっていないことを制度設計のせいにするのは簡単ですが、せっかく今あるALTを活用しないのはもったいない※2。

※2 くまもんの制作者、小山薫堂さんも「もったいない」を提唱されています。私が勝手に尊敬するクリエイター様です(ちなみに面識は全くありません)
http://goo.gl/iWCLM
<くまモンに関してはこちら>
http://www.mikito.biz/archives/23244415.html

私は、運用次第でもっとうまく回るのではないかと思うのです。「神は細部に宿る」、私の好きな格言?です。もとは建築のデザインの世界の言葉だそうで、建築の世界ではおおまかな形以上に、細部のおさまりが美しくないと全体も値打ちないという意味だそうです。いくら理想や当初の目標が立派でも、具体的な制度設計の詳細に心がこもっていないと仕組み全体に値打ちがでなくなってしまうと思うのです。現場の先生方、生徒達から声を吸い上げて、よりよい形に持って行きたいと思っています。