ビッグデータへの関心が高まる中、実際にビッグデータを読み解き、ビジネスチャンスに結びつける職業(データサイエンティスト)が注目されつつあります。一方、まだまだデータサイエンティストについて具体的にイメージできる方は少ない中、会社が蓄積した数多くのデータをビジネス戦略に導くデータサイエンティストの手法について、著者の体験や欧米企業の実例を交えながら紹介されています。

ビッグデータという言葉だけが一人歩きして、目的がそっちのけの感になっていると、私は感じています(これは未知のことをカタカナで呼称し、煙に巻くようなことだと思います。かつてのIFRS導入、TPP交渉、BIS規制、グローバル化、ISO導入、等、いずれも内容を詳細に検証することなく、言葉だけが一人歩きしていたように思います)。誰に、どのようなメッセージを伝え、どのチャネルを通すか。予算をいくらかけ、有効性をどう測定するか。最適化をどう図るか、をデータを使って達成することが、データ活用の目的のはずです。

これは統計学が最強である理由、と同一の趣旨だと思います。
<統計学が最強である理由については、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/24718707.html
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おもしろいのがデータサイエンティストの将来像を、大胆に予想している部分です。いろいろな場面で自動化が進む中、人間に残された仕事の一つが、自動化されたシステムの機能を守る人(技術者)であり、もう一つがデータを活用して業績向上に結びつけるアイデアを創造し、実行に移せる人(魔法使い)と予想しています。 そして技術者と魔法使いの両者がタッグを組むことが、事業の成否を左右するというのです。

どんなに事業の現状分析結果が素晴らしくても、現場が一向に動かないという会社、事業がたくさんあります。データ分析の目的はその分析精度を高めることが最終目標ではなく、ビジネス上の課題を解決し正しい意思決定に結びつけることだからです。現場の経験を持つ人がデータ分析によって有効なヒントを与えられたとき、 その分析がより良い意思決定や行動につながる可能性が高まります。現場の経験(アート)とデータ分析(サイエンス)は融合してこそ、大きな力を発揮します。

技術者と魔法使いがタッグを組むべきでしょう(理想的にはすべてを同一人物ができれば良いのでしょうが)。人に与えられた時間は一日24時間で決まっています。魔法使いの側が、(現場の知恵を踏まえた上で)どうやってシンプルで分りやすい分析結果と提案を、現場の技術者にフィードバックできるかがキーとなりそうです。