「健診」と「検診」の違いってご存知でしょうか。市議会でこれに関する質問・答弁があったので、ちょっとまとめてみました。

「健診」とは、健康診断のことです。大まかな健康状態を調べるもので、検査項目は、身長・体重・視力・聴力・血圧など短時間で比較的簡単にできるものです。健康状態全体を確認をするためのものであり、特定の病気を発見していく目的ではありません。予防医学には一次予防(病気の発生そのものを予防)といわれます。ちなみに人間ドックもこの健診に含まれます。健康保険の対象ではありません。

「検診」は、特定の病気を早期に発見し、治療することを目的としています。予防医学の二次予防です。例えば、「がん検診」などが、検診の代表例として挙げられます。がん検診するか否かについては個人の自由であり、強制ではありません。CTなどの医療機器を使った精密検査も行うため、普段なかなか知ることのできない体の細部までを詳しくチェックする事ができ、病気の早期発見に役立ちます。

いわき市では、まず健康診断の受診率を上げることを目標としています。ちょっと古いですが平成21年度に健診に相当する基本健康診査と、胃、肺、大腸、子宮、乳の5つのがん検診が行われています。いわき市は長年にわたって受診率の低い状態が続いており、同年の基本健康診査受診率は26.6%と全国平均の42.6%の約6割に留まりました。国が死亡率減少効果があるとして目標にしている30%には遠く及びませんでした。 またがん検診の受診率もそれぞれ、12%、21%、12%、13%、9%と、やはり全国平均を大きく下回っています。(出典:厚生労働省 平成21年地域保健医療基礎統計 都道府県-指定都市-中核市別にみた健康診査-健康教育等)。
 
健診受診率の低さを反映するかのように、いわき市のがん、心疾患、脳血管疾患の死亡率は県全体の死亡率を上回っているといわれています(未確認)。ちなみに福島県人の平均寿命は男78.84才(44位/47県)、女は86.05才(38位/47県)と短いです。生活習慣病で亡くなる人を減らし、健康で元気に働き、リタイア後も幸せな余生とするためにも、もっと多くの方に定期的に健診を受けてもらいたいと思います。それが結果的に総医療費の削減にもつながるでしょう。