以前、暮らしの伝承郷に展示されていた磐城平城の模型が、移設されたと伺いましたので、現物を見て参りました。現在は、個人宅にて修復・保存されており、お邪魔して所有者の方にお話を伺いました。驚いたことに、私財を投じ、5年の歳月を使って、自ら製作されたモノだそうです。その模型は非常に精巧で、当時の様子がよくわかります。個人宅に秘蔵されているのでは勿体ない、どこか市民・特に中高生の目に触れる場所にきちんと展示して欲しいと思います。

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模型自体はケースに収納され、そのまま展示できる状態にあります。ケースを含めた大きさは、巾2m×奥行2m×高さ1mくらい、重さは100kgはありそうです。城の門、櫓等の主要ポイントには、赤いLEDが埋め込まれており、位置を確認することができます。

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門や櫓の場所のボタンを押すと、LEDが光るように工夫されています。

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なお、いくつかの複数の古地図を参考に考証しているので、ピンポイントで特定の年のものではなく、江戸時代全般でのだいたいの配置図ということです。古地図自体、詳細に測量されたものでない以上、(歴史学としてはいまいちなのでしょうが)仕方ないことだと思います。

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製作の際には、実際に旧城跡現地を訪れて確認しながら製作したそうです。当時の写真がたくさん残っていました。2000年前後の白蛇堀の写真もありましたが、当時は堀らしく水が張られていましたが、現在は水が涸れその姿はありません。刻々と面影が廃れていっているのを感じます。可及的すみやかに、保存すべきものは保存すべく手を打たなければなりません。

<磐城平城 本丸跡地を市民開放したいは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/42425422.html
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その後、小名浜の代官所の模型も存在しているということを聞きましたので、小名浜まちづくりステーションの小名浜市民会議で見せていただきました。ご対応いただいたのは、高橋克巳事務局長様です。こちらもガラスケースに入っており、大きさは巾1m×奥行50cm×高さ1mくらいです。LED表示はありませんでしたが、簡単な建物名等の表記がありました。

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09代官所は戊辰戦争時に焼失し、その跡地は民家になってしまっており、当時の面影を偲ぶものは残っていないそうです(陣屋跡の石碑のみ)。




いわきには他にも笠間藩(平第六小学校)や泉藩(泉小学校)、湯長谷藩(磐崎中学校)等がありました。しかし現存しているのは石碑もしくは絵図、古文書のみなので、当時の姿を想像するのが難しいです。


いわき民報(2013.8.3)に、同模型が東邦銀行平支店に展示されている旨の記事が掲載されました。
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