先月2/10に、いわきサンシャインマラソン(以下、ISM)が開催されました。私もフルマラソン完走させていただき、非常にランナー、市民、市のムードづくりに貢献した素晴らしい大会だったと感じました。
http://www.mikito.biz/archives/23383050.html

周辺の方の声もおおむね良好です。ただ気になっていたのは、感覚的・散文的なご意見ばかりで、具体的にどう効果があったのか説明されたことがありません。そこで私なりにエントリーベースでの参加者数と収支報告を用いて、きちんとした結果分析をしたいと思います。
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まず、エントリー数8,896名のうち、42.195kmのフルマラソン参加者は、64%の5,724名でした。完走率は90%、東京マラソン2013の完走率が96.5%であることと比較すればかなり低いですが、それは一般人が多いことの証左でもありますので、ご愛敬でしょう。また10km、5km、2kmの短いコース設定の参加者数が少ないのは、そもそもの募集人数が少なかった(それぞれ1,200人、500人、700人)という原因があります。

地域別


次に参加者の地域別内訳です。左図は参加者がどの地域から参加しているかを表しています。いわき市民が44%、いわき市以外の福島県民が15%、関東からが27%です。市民マラソンといっても、いわき市民は半分に満たないですね。これは、ISMが、東京マラソンとほぼ同時期に募集・開催されること、及びタイムが日本陸連の公式大会として認定されることに無関係ではないと思います。

まず前者ですが、日本最大のマラソン大会である東京マラソンは3.6万人(いわき市総人口の1/10ですね・・・)を超える出場者数です。また人気であるためエントリーは抽選で行なわれ、倍率は約10.3倍です。すなわちマラソン愛好家30.3万人が、まず東京マラソンに申込みを行ない、10人中9人の、26.7万人が外れることになるわけです。外れた関東ランナーの一部がその受け皿として同時期に開催される、ISMに流れるという構図です。実際、東京マラソンの参加可否の決定と同時に、ISM申込みが急増したとのこと。日本陸連の公式タイムとなることも、マラソン愛好家にとっては魅力となるそうです。すなわち一定の好タイムを出すと、一般の市民ランナーには参加資格がない大会にも出場可能となるそうです。
 男女比
参考までに、男女比も載せておきます。男子76%に対し、女子24%。東京マラソン2013の男女比が男子78.9%、女子21.1%であることを踏まえれば、そう大きな差はないことがわかりました。




次に大会収支について見ていきます。まず確認ですが、大会の運営主体は「いわきサンシャインマラソン実行委員会」で、任意団体です。事務局は市役所の商工観光部にあるので、市が直接運営しているように見えますが、お財布は完全に別になっています。

収入まず収入の部。全収入81百万円のうち、市内企業からの協賛金が47%、ランナーからのエントリーフィーが40%を占めています。意外かもしれませんが、いわき市の一般会計から支出される、いわゆる補助金はたった10百万円、12%に過ぎません。ここからも市民による手弁当の大会であることがわかります。特別協賛していただいたアルパイン様、クリナップ様、マルト様、東邦銀行様、その他協賛会社様、本当にありがとうございます。なおフルマラソンのエントリーフィーは、5,000円/人(チャリティは8,000円/人)。東京マラソンの1万円、京都マラソンの1.2万円に比べれば、比較的リーズナブルといえるでしょう。




sishutu次に支出の部。
大会運営費が過半の65%を占めています。これには大会の安全管理や、選手のためのサポート等の各種費用が含まれます。全経費は84百万円。ランナー1人あたり9,455円かかっていることになります。これは東京マラソンの大会運営費約19億円で1人あたり5万3000円の経費がかかっていることを考えれば、非常に効果的な運営をしていることがわかります(地域性もありますが)。2012年の京都マラソンでは運営費が収入を大幅に上回り2億円超の赤字になり、京都市が全額かぶったため、大問題になりました。ISMでは今のところ、そのようなことは起きにくい状態にあります。

その要因はやはりボランティアスタッフ(市役所職員も多数)のサポートによるところが大きいと思います。安全に関わる警備等は外注するするとしても、給水所や受付等で、多数の見知ったお顔のボランティアスタッフをお見かけしました。本当にありがとうございました。

当初は、ISMがいわき市全体に対して貢献した経済効果について分析するつもりでしたが、今日はその前段階で力尽きましたので、経済効果分析は次回にしたいと思います。 

<サンシャインマラソンの経済波及効果は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/24802043.html