知人から、いわきのお宮とお祭りというA4サイズの大型本を頂きました。著者は、いわき神社総代会様。神社関係者を対象とした本で、いわき市各地の神社391社の歴史と、お祭りの意義が記されています。

個人の信じる宗教は違えども、市民の生活様式の根底には神道の心があります。我々の祖先は、神は自然と共生するものと考え、その不思議さが癒やしや幸せをもたらしてきました。それを具現化したものが、お社であり鎮守の森です。私たちの祖先は、鎮守の森を中心に神道的な儀礼や祭祀の形態を作り上げ、神への敬意と感謝の心を捧げることによって、地域住民の心の拠り所として共同体の強化と、絆を強める固有の祭りや儀式・芸能を誕生させてきました。

一方、昭和・平成と激動の時代を経て、われわれの現代生活様式も変わりつつあります。伝統文化や、鎮守の森・社の社会的意義、儀礼等がすでに廃れている地域もあります。それらが完全に滅亡してしまう前に、いわき市に点在する歴史的意義を持つ祭事や芸能・お宮の由来・伝説・宗教的行事が収録したものです。
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正直、市内各地に点在する資料を、よくここまで蒐集し、一定のトーンでまとめたなあ、という感想です。読者を神社関係者に絞っているだけで、非常に詳細な記述となっています。よって、一般人がすべてを理解することは不可能な内容ですし、そもそもそれは期待されていないと思います。

ただ付録として「奥州磐城飯野八幡宮之由緒」「飯野八幡宮縁起奥書」「同 行事様式」の原本写真及び解説が紹介されています。中世に記された書物ですが、現物写真を見ると、その時代の磐城も捨てたもんじゃないなと思いました。解説も他の部分と比べると比較的、丁寧になされており、勉強になりました。